この記事では、「本書」と「当書」の違いを分かりやすく説明していきます。
「本書」とは?
「本書」とはその本や文書を書いた張本人が、その書いた本を指す時に使われる言葉です。
自分の書いた本について話題に出した際に、話題にした本に言及する時に「本書」は~という形で使われます。
その人が書いた本が一つだけなのか、それとも他にもあるのか、どの本を指しているのかは「本書」という言葉だけでは判断できません。
そのため「本書」という言葉は文章や会話の最初から使われる言葉ではなく、先にどの本について話すかを語ったり、どの本を指しているかわかるような会話の流れをした後から使われます。
また本人からその書物に言及する際に使われるので、言及する内容も著者の立場や目線からなにか言いたい時に使われることが多いでしょう。
しかし著者としての考えを込めていなくても、自分で自分の書いた本を指すなら「本書」という言葉が使えます。
「当書」とは?
「当書」とは先に話題に上げた本や文書などの書物を指す時に使われる言葉です。
筆者があとがきで執筆時の話をする時に「当書」と書くこともありますし、その本を書いていない人が本を紹介する時に「当書」はどのような本かという使い方をすることもあります。
他の言い換えとしては「この本」や「その本」と言いかえることもでき、その本に関してどのような立場で、どのような言及をする時にも使える言葉です。
その本を書いた本人がその本に対して言及する時にも使えますが、逆に言及する人がその本を書いたわけではないのなら、その本に関しては「当書」という必要があります。
「本書」と「当書」の違い
「本書」と「当書」の違いを、分かりやすく解説します。
その本を書いた著者本人が自分の書いた本を指して使う言葉が「本書」で、先に軽くでも触れた特定の本を指す言葉が「当書」です。
「本書」は自分で書いた本に対してだけ使うことができるので、その本の著者以外が使うことはできません。
それに対して「当書」はその本を書いた本人でも、書いていない人でも使うことができます。
また「本書」にはその使われ方から自分の本はというニュアンスがあります。
しかし「当書」にはそういったニュアンスは一切ありません。
そのため「本書」という場合には著者目線でその本について語るという内容が多くなりがちですが、「当書」の場合はそういうことはなく、様々な視点から様々な内容で語られることになります。
まとめ
「本書」は著者だけが使える言葉、「当書」はだれでも使える言葉だと覚えておいて、普段は自分が書いた本かどうかで使い分けをするべきです。
自分が書いた本を「本書」と呼ぶか「当書」と呼ぶかについては、作者からのメッセージとして言及したい場合や、自分が著者だと明確にしたい場合は「本書」、著者ではなくその本に関わった一人として言及したいなら「当書」を使うといいでしょう。