「油彩」と「水彩」の違いとは?分かりやすく解釈

「油彩」と「水彩」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「油彩」【ゆさい】と「水彩」【すいさい】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。

「油彩」とは?

「油彩」とは?

立体的な塗り方ができるのが「油彩」であり、人物が浮き出て見えるように色が塗れます。

色に深みをもたせられるだけではなく、影と光の濃淡を与えて、独特な色彩を表現できるのも魅力です。

絵の具は顔料を油でよく練ったものであり、粘り気がある絵の具をキャンバスに塗り込むようにして筆で何度も塗っていけばより色がしっかり出ます。

水は含んでいないため、キャンバスにしっかりと吸い付くように塗れますが、色を薄めたいときは油を足す必要性があります。

塗った後は油の成分がしっかり固まっていけば顔料が定着していきます。

「水彩」とは?

「水彩」とは?

水を溶剤とした絵具によって描かれていた絵画のことを「水彩画」と言い、少し平面的で細かな描写に適した絵の具を「水彩」と言います。

細かく描く宝飾品や服の柄、多くの人々を描くときに適しているこの絵の具は水に溶けやすいため色を薄くしたいときに最適です。

色を混ぜ合わせやすいため、より自分が理想としている色を出せて塗れます。

透明感を出したり、霧を描く、空間を表すなどにも合うこの絵の具は大和絵や浮世絵でも使われており、日本では幕末から急激に絵師の間で使われ出し、日本画として頻繁に使われるようになりました。

「油彩」と「水彩」違い

「油彩」と「水彩」違い

「油彩」「水彩」の違いを、分かりやすく解説します。

乾燥する「乾性油」を使うのが「油彩」であり、主にポピーオイルとリンシードオイルがあります。

ケシの油を採用しているのがポピーオイルであり、控えめな黄色なので白い色を出したいときに適していますが、リンシードオイルは強い黄色で、亜麻仁油が原料です。

粘着性がある揮発性油には石油から作られるぺトロールと、樹木のテレピン油があります。

一方の「水彩」は透明水彩絵具と不透明水彩絵具があり、アカシア樹脂が使われています。

多くの絵画に使われている透明水彩は薄い塗りに最適な絵の具であり、不透明水彩は艶消しができるのが魅力です。

「油彩」の例文

「油彩」の例文

・『乾性油の油彩絵の具は延びる性質があり、揮発性油は主に溶かすようにして塗れる』
・『乾燥に時間がかかる特性を活かして、筆で馴染ませればより綺麗に描けるのが油彩の魅力だ』
延びる感覚が出せる乾性脂だけを使った「油彩画」であれば流動性を出せるのが魅力的であり、簡単に仕上げられるだけでなく、なかなか乾かないことで描写を変えたり、全体的な構図を変えられます。

「水彩」の例文

「水彩」の例文

・『水彩紙を使って描けば吸水性もいいので、滲みが出ないのが魅力的だ』
・『ウォッシュ技法を用いる透明画法の水彩は色を塗り重ねることで深みが出せる』
紙の表面には細目から荒目に区分されており、厚さによって乾き方が遅いため滲みを表現できるのがいいところです。

主に基本となるウォッシュ技法に塗り重ねする重色効果により独特な「水彩」の魅力を引き出せます。

まとめ

まとめ

どちらも絵を描くときに欠かせない絵の具でありますが、「油彩」は水を加えていないものですのでその粘り気がある特色を活かした深みがある描き方ができます。

「水彩」は水に溶けやすく、合わせやすいところが新しい色を生み出し、塗りやすい絵の具と覚えておくといいでしょう。