商品の販売方法として「予約販売」と「受注生産」があります。
人気商品でよく見られる販売方法ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「予約販売」と「受注生産」の違いについて解説します。
「予約販売」とは?
「予約販売」とは、「商品の発売前に購入希望者から注文を受け付ける販売方法」を意味する言葉です。
将来のことについてあらかじめ約束しておくことを「予約」といいます。
「予約販売」とは「販売についてあらかじめ約束しておくこと」を意味する言葉で具体的には「買いたいという意志を示し将来の購入を前提に発注すること」を表します。
要するに「店頭にない商品を必ず購入するという約束で注文する」のが「予約販売」です。
一般的には発売前の商品に対して使われる表現ですが発売後の商品であっても店頭にない商品を購入するために注文して取り寄せてもらう「取り寄せ販売」も先に注文を出すことから「予約販売」と表現します。
売買契約は売買を完結させる意志を示した時点で成立するというのが法律的な見解です。
実際に金銭や商品のやり取りが行われていない「予約販売」であっても双方が合意した時点で売買契約が成立したとみなされます。
「予約販売」の使い方
・『大人気商品なので混乱を避けるために予約販売になった』
・『予約販売だが一瞬で売り切れてしまった』
・『予約販売で注文した商品を店頭で受け取る』
・『モデルチェンジを来月に控え予約販売が始まった』
「受注生産」とは?
「受注生産」とは、「先に注文を受け付け注文数に合わせて生産する販売方法」を意味する言葉です。
一般的な商品は先に商品が生産されます。
購入希望者は出荷された生産済みの商品を購入するのが通常の取引ですが、このような方法では売れ行きが悪いと在庫になるリスクを伴います。
通常は在庫が出ないよう生産数を調整して対応しますがオーダーで構成が変わる製品や購入希望者が少ないニッチ商品など事情を抱える商品において在庫リスクを極限まで下げるためにとられる販売方法が「受注生産」です。
「受注生産」は注文に応じて生産するので注文後のキャンセルなど一部の例外を除き在庫リスクはゼロです。
同じ商品でもオプションやボディカラーで細かい違いがある自動車の販売ではあらかじめ生産しておくことが不可能なので購入希望者の注文後に生産する「受注生産」が基本です。
自動車以外にもマニア向けのフィギュアやジュエリーなど販売価格も製造コストも高くひとつでも在庫が発生すると経営に支障が出るような商品において「受注生産」が採用されています。
「受注生産」の使い方
・『復刻版の超合金フィギュアは受注生産で販売されている』
・『自動車は受注生産なので購入から納車まで時間がかかる』
・『受注生産なので購入機会を逃すともう買えない』
・『注文が殺到し受注生産が追いつかない状況だ』
「予約販売」と「受注生産」の違い
「予約販売」と「受注生産」の違いは「生産数量」です。
「予約販売」は発売前に注文を受け付けますが生産自体は既に開始されており受け付けた予約注文以外に店頭での販売分も含めた量を生産します。
「受注生産」では注文数のみ生産するので注文分以外には出荷されません。
受け付けた注文よりも多く生産するのが「予約販売」、注文数とピッタリに生産するのが「受注生産」という違いで区別されます。
まとめ
事前に注文を受け付けるところは共通している「予約販売」と「受注生産」ですが注文以外の生産数に違いが見られます。
注文以外の購入可能性に大きな違いがあるのでどうしても購入したい商品があるなら販売方法に注意してください。