「鷲」と「鷹」の違いとは?分かりやすく解釈

「鷲」と「鷹」の違い動物・植物

この記事では、「鷲」【わし】と「鷹」【たか】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。

「鷲」とは?

「鷲」とは?

タカ目のタカ科に属する「鷲」【わし】には、イヌワシ、オオワシなど様々な種類がおり、比較的大きな個体をこのように呼びます。

鳥の中でも強く、逞しく生きる姿は鳥類の中でもトップに立つところが王様のように見えるため、海外ではたびたび紋章になったり、信仰の対象となる鳥でもあります。

アメリカではよくハクトウワシを国の鳥として掲げているほど人気がありますし、メキシコでも予言する生き物として神のような存在として崇拝される存在です。

そんな「鷲」は、並外れた視力を持っているためかなり高い位置を飛びながら地面を走る鼠の姿をいち早くとらえられます。

最大で最強の猛禽類と恐れられているのが「オウギワシ」で、頭の上にまるで扇のように羽根を広げて立つ姿がこのように呼ばれる由縁になっているこの鳥には大きなかつ爪を持ちます。

ギリシャ神話に登場する怪物として扱われる鳥は“harpy”【ハッピー】という意味で人々に親しまれている鳥でもあります。

「鷹」とは?

「鷹」とは?

足の爪が鋭いため瞬時に獲物を捕らえて、しっかりと掴んだ状態で高い木の上にまで獲物を持ち上げられるのが「鷹」であり、肉食なので鼠や兎などの小動物や蛙、蛇などの爬虫類、飛ぶ昆虫も素早く狙って捕食しますし、死肉も平気で食べます。

日本では基本的に「ハイタカ」「クマタカ」「オオタカ」と3種類がいて、それぞれ体長に若干の違いが見られます。

爪の先は鋭く、口ばしの先が個性的な鈎形【かぎがた】のように曲がっており、その足で獲物をしっかり掴み、落とさずに巣へと獲物を飛びながら持ち運びます。

タカ科の鳥の種類は約210種と多く、そのうちの22種が日本で獲物を捕って生息していますが、日本では縄文時代より人に飼われている鳥です。

人間に懐くため飼いやすく、飼育しやすいので食料として飼われていましたが、その後、権力者が自分の力を誇示するため人名を付けて飼い慣らし、鷹狩り用のペットとして飼うようになりました。

モンゴルでは遊牧民が野生動物を捕獲するために「鷹」を飼い慣らしつつ草原で飛ばしていました。

「鷲」と「鷹」の違い

「鷲」と「鷹」の違い

「鷲」「鷹」の違いを分かりやすく、解説します。

どちらもタカ目のタカ科であり、全体的に大きさがあるものを「鷲」と呼び、小さめな個体を「鷹」と区別し、日本にはクマタカが生息しており、体長は80cmにもなり、翼を広げれば2mと横に大きくなります。

雄は雌よりも10cmから20cmほど体が小さい「鷲」に対し、「鷹」は雌が約60cm、雄は約50cmと小さく、翼を広げたときは100cmから130cmと翼の幅の長さが短いのがこの鳥の違うところです。

鳴き声が個性的なのが「鷲」であり、空中を羽ばたかないようにして円を描きながら「ピーヒョロロロ」と少し高い声で鳴くその姿は実に雄大です。

しかし、死肉を食べたり、生ゴミを食べるところが人間から見ると「鷹」よりも下品で格下に見られてしまう残念な鳥として位置づけられています。

まとめ

まとめ

どちらもタカ目の鳥であり、肉食の猛禽類として世界でも認知されていますが、「鷲」は人間の住む場所に近いところに棲みつき、餌あさる姿が目撃されているところから意地汚いという印象が強いですが、「鷹」の体格は小さめでも飛び方や目つきが凛々しいところが狩りの人間に愛され、シンボルになっているという違いがあると覚えておくといいでしょう。