この記事では、「色々」と「諸々」の違いを分かりやすく説明していきます。
「々」がつく言葉を、学んでいきましょう。
「色々」とは?
色々(いろいろ)とは、数が多いこと。
複雑なことです。
複数の作業や、手間をあらわします。
とても気軽に使える表現なので、話し言葉のひとつとして親しまれている言い回しです。
もともと色々は、平安時代のお姫様の間でうまれた言葉です。
当時は十二単の着物のように、色々なカラーを組み合わせた「色のお洒落」がたのしまれていました。
そのため藍色や桃色、うぐいす色など美しい色が重なっていることが「色々」です。
現在ではメニューがたくさんあること、品ぞろえが豊富なことも「色々」といいます。
数が多いこと、種類が豊富なこと、複数の事情が「色々」です。
「諸々」とは?
諸々(もろもろ)とは、あれこれのこと。
数えきれないくらいの作業や負担、仕事ぶりをあらわします。
とても丁寧な言葉なので、文書やビジネスメールに用いられています。
覚えておくと、使い回しのきく言葉です。
もともと諸々の「諸」は「多い」をあらわす漢字です。
また「すべて」という意味もあるので「諸々とありがとうございます」というと、これまでのやり取りすべてを示します。
おもに取引先や目上の人に対してビジネス文書でつかう、フォーマルな表現になります。
「色々」と「諸々」の違い
どちらも同じように見える表現です。
「色々」と「諸々」の違いを、分かりやすく解説します。
・話し言葉は色々、書き言葉は諸々
「色々」と「諸々」を見比べたとき、日常生活でよく耳にするのは「色々」です。
「本日は色々なアドバイスをいただき、ありがとうございました」のように、ちょっとしたお礼を伝えたい時にも使われています。
色々は平安時代の宮廷文化から生まれた言葉ですが、現在ではカジュアルな言い回しに変化しています。
そのため改まった文書や、取引先におくるメールでは「色々」と書き加えてしまうと軽い雰囲気が強調されてしまうこともあります。
失礼にあたらない表現を選びたいのなら「色々」よりも「諸々」を使った方が無難です。
例えばお世話になっているクライアントに対しては「諸々の事情をくんでいただき、ありがとうございます」や「諸々のご手配をよろしくお願いいたします」と用います。
色々に比べて、礼儀ただしい雰囲気が増すのが諸々です。
ちなみに「諸々」を用いた言葉に「その他諸々」があります。
こちらは気さくな人同士でつかう言葉で「その他をひっくるめて全部」という意味があります。
色々なボキャブラリーを覚えて、自信をつけていきましょう。
まとめ
「色々」と「諸々」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「色々」は数や商品が多いこと。
様々な種類や状況を指します。
そして「諸々」は、すべてという意味があります。
色々は平安時代に生まれた言葉ですが、現在ではカジュアルな話し言葉となっています。
そして諸々はビジネスライクな文書やメール文に使われます。