「従順」と「柔順」の違いとは?分かりやすく解釈

「従順」と「柔順」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「従順」「柔順」の違いを分かりやすく説明していきます。

そっくりに見える語を区別しましょう。

「従順」とは?

「従順」とは?

従順(じゅうじゅん)とは、まっすぐで静かなこと。

決まりを守って、穏やかに過ごせることです。

敵を作りにくい、温かい人柄をあらわしています。

喧嘩が嫌いで、いつも波風立てないような生き方をしている人を指します。

もともと「従順」「順」には「周りの力にしたがう」という訳があります。

そのため自分の意見を横において、強い人に従っていくという意味も「従順」には含まれています。

いつも大人しいけれども、腹の中では何を考えているか分からない人。

長い物に巻かれてしまう人という、気になる一面もあるのが従順です。

「柔順」とは?

「柔順」とは?

柔順(じゅうじゅん)とは、目立ちすぎず控えめなこと。

出しゃばらない、静かな人柄をあらわします。

人前に出ていくのは得意ではないけれども、不思議な存在感はある人をあらわします。

他人から恨まれにくいので、ある意味、世渡り上手なタイプといえます。

「柔順」には「柔らかい」という言葉が含まれています。

これは心の柔らかさを伝える言葉で「優しい性格」をあらわしています。

また「おしとやか」という意味もあるので、外柔内剛という「穏やかに見えるものの、芯はしっかりしている」という訳があります。

そのため女性の褒め言葉としても用いられています。

物腰が柔らかく、上品な素ぶりを「柔順」といいます。

「従順」と「柔順」の違い

「従順」と「柔順」の違い

どちらも「じゅうじゅん」と読めます。

「従順」「柔順」の違いを、分かりやすく解説します。

・否定的な意味もある従順
「従順」「柔順」は同じ読み方をしていて「順」という共通語もあるので、間違えやすいです。

あらためて振り返ると「従順」は、反抗しないこと。

上の人の意見に対して、ノーと答えないイエスマンのような人です。

「素直」という良い意味もありますが、人によっては八方美人でつかみどころの無い人と否定的に受け止められる場合もあります。

一方で柔順は、おしとやかで優しいこと。

素朴な人柄で、自分を前に押し出しすぎない人をあらわします。

心の柔らかさを例えた言葉なので、おもに女性の褒め言葉として用いられています。

従順が「権力者に従う」という訳があるのに対して、柔順は「優しく気品のある性質」のみを伝えています。

そのため良い意味と悪い意味、両方あるのが従順。

良い意味のみが柔順です。

人柄や気立ての良さを称えるときには、柔順と覚えておきましょう。

まとめ

まとめ

「従順」「柔順」の違いを分かりやすくお伝えしました。

どちらも「じゅうじゅん」と読みます。

従順とは人柄が素直で、大人しいこと。

言いつけや決まりを守る人を示しています。

そして柔順とは心が温かくて、おしとやかなこと。

言動が落ちついていて、気品を感じられる人です。

従順には、権力に従うという負の意味もあります。

使い分けを正しくしましょう。