作品や製品のクレジットで見かける「プロデュース」と「プレゼンツ」はどのような意味の違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「プロデュース」と「プレゼンツ」の違いについて解説します。
「プロデュース」とは?
「プロデュース」とは、「作品や製品を制作する」という意味の言葉です。
作品や製品のクレジットとして「produced by」などと表記されることがあります。
「プロデュース」という言葉にはいくつかの意味がありますがこのようにクレジット表記される場合は「その人の手によって制作された」という意味になります。
「プロデュース」というのは実際に手を動かしてものを作るような直接的な関わりではなく、人を集めたり資金を調達したりなど「プロジェクトとして制作すること」を意味する言葉です。
化粧品の「プロデュース」という場合は薬品を調合したり容器をデザインしたりするのではなく調合やデザインの実務担当者を集めたり提案されたアイデアの是非を判断したりといった総合監修としての立ち場で化粧品作りに関わることを意味しています。
クレジットで「プロデュース」が用いられるのは作品や製品の出来栄えに深く関わる立場で業務に参加しているときです。
具体的な業務内容についてはそれぞれのケースによって異なりますが一般的には総合監修もしくは実務の総責任者としての関わり方を「プロデュース」と表現します。
「プロデュース」の使い方
・『化粧品をプロデュースする』
・『彼のプロデュースした商品はすべてヒットしている』
・『新製品をプロデュースしてもらうために大物女優にコンタクトをとる』
・『全ての女性を美しくするためにコスメをプロデュースする会社』
「プレゼンツ」とは?
「プレゼンツ」とは、「提供される」という意味の言葉です。
コンテンツやイベントなどでは「プレゼンツ」という表記とともに企業名がクレジットされることがよくあります。
この場合の「プレゼンツ」とは「資金や会場などを提供してくれている」ことを意味します。
「プレゼンツ」はその人やその団体の支援によって活動が成立しているときに用いられる表現で「バックアップ」や「後援」と似たような意味合いです。
提供クレジットで用いられる場合は「スポンサー」と同じ意味で使われますが、イベントなどでは人脈やコネクションを活かして開催のために尽力してくれた人や団体に対して「プレゼンツ」という言葉が使われることもあります。
この場合は日本語の「肝いり」に近い意味合いです。
「プレゼンツ」の使い方
・『製薬メーカーのプレゼンツでイベントが開かれた』
・『プレゼンツに賛同してくれる企業を見つけないと資金的に成り立たない』
・『一見無関係に思える企業がプレゼンツについていると不思議な気持ちになる』
・『いつの頃からかスポーツイベントにプレゼンツがつくのが当たり前になった』
「プロデュース」と「プレゼンツ」の違い
「プロデュース」と「プレゼンツ」は「業務への関与」です。
「プロデュース」はアイデアの提案や具体的な方針の提示など制作に深く関わる場合に使われる表現です。
「プレゼンツ」は資金や場所の提供などは行いますが製作に直接関与しません。
スタッフの一員として制作に携わるのが「プロデュース」、プロジェクト全体を支援するのが「プレゼンツ」という違いで区別されます。
まとめ
クレジットで目にする機会の多い「プロデュース」と「プレゼンツ」ですが意味を理解しないままなんとなく受け入れている人も少なくありません。
見る側としては意味がわからなくても問題ありませんがクレジットを出す側としてわからないのは問題です。
いつかクレジットを打つ機会があっても困らないようにそれぞれのただしい意味を理解しておきましょう。