この記事では、「逸失利益」と「機会損失」の違いを分かりやすく説明していきます。
迷いやすい語を、今すぐ学んでいきましょう。
「逸失利益」とは?
逸失利益(いっしつりえき)とは、ある出来事が引き金となって、手元にはいるべき利益が入らなくなることです。
おもに交通事故に遭い、見込まれる収入が得られないときに使われています。
こちらに落ち度がないのに交通事故の被害者になってしまった場合に、相手方に請求できる権利になります。
逸失利益は年収に労働労力の喪失率、そして期間に応じたライプニッツ係数をかけて計算していきます。
交通事故によってどのような後遺症が生じて、どのくらい収入がダウンしたのか、客観的にあらわした数字になります。
ちなみに障害の等級によっても、労働労力の喪失率は変わってくるので丁寧に計算をしていきましょう。
「機会損失」とは?
機会損失(きかいそんしつ)とは、架空の損失のこと。
まちがった道を突き進んでしまい、マイナスになってしまった利益をあらわします。
取るべき選択をしなかったために、利益を落としてしまうシーンを言い表しています。
機会損失は店舗経営や株式投資など、幅広い分野で用いられています。
事業運営では在庫が切れてしまったり、反対に在庫が大幅に余ってしまったり、旬を見誤ることをいいます。
また金融の世界では「取引すべきタイミングを逃してしまうこと」を機会損失といいます。
時代もお金の動きも刻一刻と変わっていくもの。
その時にあった正しい決断をおこなわないことが、機会損失になります。
「逸失利益」と「機会損失」の違い
どちらも同じように見える四字熟語です。
「逸失利益」と「機会損失」の違いを、分かりやすく解説します。
・損害賠償では逸失利益
「逸失利益」と「機会損失」は、どちらも失ったお金のこと。
本来なら手にできるはずの利益が、手元に入らなくなる状態をあらわします。
けれども「逸失利益」と「機会損失」では、用いられるシーンが少々変わってきます。
「逸失利益」はおもに、交通事故の被害者になった場合に使います。
たとえばドラックドライバーの方が車を運転していて、赤信号無視の車とぶつかったとき。
思わぬ交通事故によって、ハンドルを握れない状態になったとします。
事故以降は今までのような収入は得られないので、相手の加害者に「逸失利益」を請求することができます。
一方で機会損失は資産運用や店舗運営で用いられる言葉です。
本来やるべき決断やアクションを起こさなかったがために、結果的に商売のチャンスを逃してしまう状態をさしています。
逸失利益が自分の努力ではどうしようもないものに対して、機会損失はこちらのさじ加減によってはコントロールできる状況を指しています。
まとめ
「逸失利益」と「機会損失」の違いを分かりやすくお伝えしました。
逸失利益とは交通事故の被害者になったときの損害賠償をあらわします。
そして機会損失とは、資産運用やマーケティングで損をしてしまうこと。
選択肢を誤ってしまい、商機を逃すことです。
知識を広げておきましょう。