この記事では、「具申」と「上申」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉の差を、今すぐ学んでいきましょう。
「具申」とは?
具申(ぐしん)とは、自分より目上の人に、こちらの希望を伝えること。
または必要なときに、詳しい説明をすることです。
現場のスタッフでしか分からない意見や、実情を上役にくわしく話すという意味があります。
もともと具申は「具に申す」とあらわします。
具は「つぶさに」と読めます。
そのため小さなことまで、細々と申し上げるのが「具申」です。
具申は組織や上司に物申したいときに使います。
自分の部下や年下の友人に対しては用いないので、TPOには気を付けておきましょう。
「上申」とは?
上申(じょうしん)とは、位の高い人や公的な機関に、意見を伝えること。
こちらが求める結果になるように、お願いすることです。
公安調査庁や警察署、地方裁判所などに書類を提出するときにも用いられています。
そもそも上申という言葉には「上に申し上げる」とあらわします。
上申は江戸時代から、使われていた語句です。
家来がお殿様に対して、または庶民が幕府に対して物申すことを上申と呼んでいました。
現在でも警察や自治体に意見を書いた用紙を上申書といいます。
地方公共団体や官庁に対して、こちらの言い分を伝えることが上申です。
「具申」と「上申」の違い
どちらも上役に伝えるという意味合いがあります。
「具申」と「上申」の違いを、分かりやすく解説します。
・書類は「上申書」
「具申」と「上申」はいずれも自分より上の立場の人や機関に対して、意見を伝えるという訳があります。
よく似通っているので、紛らわしく感じられます。
整理すると、具申は部下から上司に対して、上申は個人が組織に対して意見を発することです。
そしてこちらの言い分を書いた書類を上申書と呼んでいます。
上申書は警察や裁判所に、申し立てをおこなう際に使われています。
また会社でも「社内の課題を伝える用紙」を上申書といっています。
働いているスタッフが現状の課題や悩みをピックアップして、具体的な改善策を伝えていくのが上申書なります。
そもそも上申とは「江戸時代の目安箱」のように、自分の意見を紙に書きあらわしたものです。
そのため、ただ声に出すのではなく紙に書いて証拠を残していくというニュアンスが含まれています。
まとめると目上の人に対して、おもに口頭で意見を伝えるのが具申。
目上の人や組織に対して、口頭と文書で申し立てをするのが上申になります。
似通っている言葉ですが、使われるシーンや意味合いが異なっています。
注意しておきましょう。
まとめ
「具申」と「上申」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「申し上げる」という共通した訳があります。
具申とは、現状について具体的な課題を伝えていくこと。
部下から上司に対して用いられます。
そして上申とは、こちらの言い分を大きな組織に訴えること。
警察や裁判で、よく使われている語句になります。