「建前」と「嘘」の違いとは?分かりやすく解釈

「建前」と「嘘」の違い言葉・カタカナ語・言語

似たようなものと一緒くたにされがちな「建前」「嘘」ですが実は明確な違いが存在します。

今回は、「建前」「嘘」の違いについて解説します。

「建前」とは?

「建前」とは?

「建前」とは、「世間体や評判のために本当の気持ちを隠して表明される表向きの考え」を意味する言葉です。

人の気持ちはそれぞれですが社会を構成する一員として過ごすためには自らの気持ちを素直に言えない場面が少なくありません。

不謹慎だったり道徳にあわなかったりルール畳成約があったりなど「いろいろな理由で表に出せない本当の気持ちを抑え表面上取り繕うために出す外向きの考え」を指して「建前」と表現します。

「建前」は本当の気持ちを意味する「本音」の反対語です。

心のなかにある本当の気持ちではなく他の人に打ち明けるために造り上げたかりそめの考えが「建前」であり、多くの場合他人との軋轢を回避するためや自分の評判を守るために表明されます。

「外部に向けて発信される本当の気持ちとは子となる内容の言葉」「建前」ですが必ずしも悪いものとは限りません。

社会的合意に従うというのも「建前」の一種です。

「年寄りに配慮する」「困っている人には手を差し伸べる」「清く正しく生きる」といったような良い内容であってもそれらを実践するのが難しく本心では同意していない場合は「建前」となります。

「建前」の使い方

・『政治家にとっては建前を言うのも仕事のひとつである』
・『建前は聞き飽きたので本当の気持ちを聞きたい』
・『役所は建前を繰り返すばかりで話し合いが一向に進まない』
・『時には建前が大切なこともある』

「嘘」とは?

「嘘」とは?

「嘘」とは、「事実に反することを作り上げて人を欺くこと」を意味する言葉です。

「人を騙したりごまかしたりするための事実ではないこと」「嘘」といいます。

「嘘」という言葉は他人に対して話した言葉や突きつけた事実に対して使われる言葉であり悪意を持って人を欺くことを意味します。

本来の「嘘」「偽物」という意味で「事実とは異なる偽の内容」を指していました。

現在では偽の内容を含む言葉や偽物で人を欺くことを「嘘」と表現しています。

「嘘」の使い方

・『責任を逃れるために嘘をつく』
・『軽い気持ちでついた嘘がきっかけで学校が崩壊してしまった』
・『事実を確かめもしないで嘘呼ばわりするのは問題だ』
・『内容にかかわらず嘘をついたことが問題の本質である』

「建前」と「嘘」の違い

「建前」と「嘘」の違い

「建前」「嘘」の違いは「目的」です。

「建前」は他人や社会と上手くやっていくために用意される表向きの考えを指します。

事実でないものや本当の気持ちとは違うものも含まれていますが全ては本音をぶつけてしまうことで生じる軋轢やトラブルを回避するためです。

「嘘」の目的は「人を欺くこと」です。

自分の利益だけでなく相手のためを思ってつく「嘘」もありますが事実ではないことを事実であるかのように表現するのが「嘘」であり何らかの形で利益確保や自己保身などの要素が含まれています。

まとめ

まとめ

「建前」「嘘」はどちらも事実ではない内容を含みますが意味合いはまったく違います。

何のためにそんなことを言ったのかに注目して区別してください。