みなさんは「肝をつぶす」と「肝を冷やす」という表現がどのような意味を持っているかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「肝をつぶす」と「肝を冷やす」の違いを分かりやすく説明していきます。
「肝をつぶす」とは?
「肝をつぶす」は「きもをつぶす」という読み方になります。
この「肝をつぶす」とは「非常に驚く」「非常にびっくりする」「たいそう驚く」ということ意味合いを持つ表現です。
これは「臓腑が潰れるほど吃驚するさま」を表現しており、「肝」は「気力や度胸を司る器官」と言われてきたために「肝をつぶす」という表現が生まれてきたのです。
「肝を冷やす」とは?
「肝を冷やす」は「きもをひやす」という読み方になります。
この「肝を冷やす」とは「驚き恐れてひやりとする」「危険を感じてゾッとする」「ひやっとする」というような意味を持っている表現となります。
「肝をつぶす」と「肝を冷やす」の違い
ここで「肝をつぶす」と「肝を冷やす」の違いを見て行くことにいたしましょう。
どのような相違点があるのでしょうか?「肝をつぶす」とは「非常に驚く」「非常にびっくりする」「たいそう驚く」ということを意味している表現となります。
一方の「肝を冷やす」は「驚き恐れてひやりとする」「危険を感じてゾッとする」「ひやっとする」ということを指している表現です。
このことから「肝をつぶす」は、ともかく「驚く」や「びっくりする」という感情的な心理状態を描写している表現と言っていいでしょう。
片や「肝を冷やす」は「危機感を感じるような一瞬の衝撃的な出来事に対する驚き」という意味合いで使われているのです。
「肝をつぶす」の例文
では、ここで「肝をつぶす」の例文を見て行くことにいたしましょう。
具体的な使い方としては以下のような文章が考えられます。
・『さっき、街の中で苦手な担任の先生に見つかりそうになって肝をつぶした』
・『あまりの爆発音に肝をつぶしたのだが、どうも近所でガス爆発が起こったようだった』
「肝をつぶす」は「非常に驚くこと」という意味を持っていますが、例文を見ると突然の出来事で驚くさまが伝わってきます。
「肝を冷やす」の例文
続いて「肝を冷やす」の例文を見て行くことにしましょう。
この言葉の使い方には、どのようなものがあるのでしょうか?
・『安全運転をしていたつもりだが、交差点に入ると信号無視してきた車にぶつかりそうになって、肝を冷やした』
・『アイスバーンで車がスリップしそうになって、肝を冷やしたが、何とか持ちこたえることができた』
「肝を冷やす」の例文を見ていると、ヒヤリとするシーンが多い事が理解できます。
まとめ
ここまで「肝をつぶす」と「肝を冷やす」の意味と違いを説明してきました。
この2つの表現は「驚く」という意味がありますが、ニュアンスが異なる慣用句なので、しっかりと解釈の相違点を確認して、適切な使い分けができるようにしておきましょう。