「フェーズ」と「ステップ」はどちらも「段階」や「過程」を表す際に使用する言葉ですが、詳細な意味合いが異なるため使い分けが必要です。
この記事では、「フェーズ」と「ステップ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「フェーズ」とは?
「フェーズ」は「段階」や「局面」といった意味を持つ英語の“phase”が元になった外来語で、「物事の段階や区切り」、「物事の局面」という意味で用いられています。
ビジネス分野などにおいては、長期に及ぶプロジェクトや企画の進行状態を区切って呼ぶ際に使用されます。
「ステップ」とは?
「ステップ」は、「歩み」や「足取り」などを意味する英語の“step”が元になった言葉で、「物事が進む段階」といった意味で使用されています。
そのほか、「乗り物の昇降口に設置されている踏み台」や「ダンスする際の足の運び」といった意味で使われることもあります。
「フェーズ」と「ステップ」の違い
「フェーズ」と「ステップ」は双方とも「物事における段階」という意味合いを持つ言葉ですが、使用する状況に違いがあります。
「フェーズ」はどちらかというと「長期的あるいは大きなプロセス」に対して使用される一方、「ステップ」は「短期的あるいは小さなプロセス」に対して用いられることが多いといわれています。
例えば、ある大きなプロジェクトの過程をいくつかの「フェーズ」で区切る場合、それぞれの「フェーズ」の中に「ステップ」が含まれているというイメージです。
さらに、「フェーズ」には「物事における新たな局面」という意味も含まれており、状況や形勢に対して使用する場合もあります。
「フェーズ」の例文
「フェーズ」は「長期的または大規模なプロセスにおける段階」や「物事における新たな局面」を表現する際に使用され、「フェーズに進む」や「フェーズに入る」といった使われ方をしています。
「第2段階」を「第2フェーズ」と表すなど、特定の段階に該当する数字を「フェーズ」の直前に配置するケースもあります。
また、医療分野では感染症拡大のリスク段階などを表す際にも使用されています。
・『今回の検査をパスすれば次のフェーズに進むことが可能になる』
・『原料の高騰によって第2フェーズにおける作業に大幅な遅れが生じている』
・『原料の代替品を確保したことにより、安定的な生産が望めるフェーズに入った』
・『感染症の流行に変化がみられたため、フェーズ3からフェーズ2に移行する』
「ステップ」の例文
「ステップ」は「短期的または小規模の物事が進む段階」において使用されることが多い言葉で、「ステップを踏む」や「次のステップ」などの用法があるほか、「向上する」を意味する「ステップアップ」という表現も有名です。
・『この課題を終えたら次のステップに進める』
・『目の前のタスクを着実にこなすなど、小さなステップを踏んでいくことが大きな目標の達成へとつながるはずだ』
・『バイオリンを上達させるためには、一気に上手くなろうとせず一つひとつのステップを踏んでいくことが重要だ』
・『ステップアップのために、難関といわれている資格を取得しようと思う』
まとめ
「フェーズ」と「ステップ」は似た意味合いを持つ言葉ですが、それぞれが示す段階の規模や使用するシーンに違いがあることが分かります。
両者の意味や使い方を学び、状況に応じて使い分けましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。