「排水」と「廃水」の違いとは?分かりやすく解釈

「排水」と「廃水」の違い言葉・カタカナ語・言語

水を指す言葉の中でも混同しやすいのが「排水」「廃水」です。

このふたつの言葉はどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「排水」「廃水」の違いについて解説します。

「排水」とは?

「排水」とは?

「排水」とは、「必要のない水を外に出すこと」を意味する言葉です。

ある場所に不要な水があるとき、その場所を正常な状態に戻すためには水を取り除く必要があります。

このような状況で行われる「特定の場所から不要な水を除去すること」を指す言葉が「排水」です。

「排水」「排」には「おしのける」「しりぞける」など「力ずくで今の場所からどかしてよそにやる」という意味があります。

「排水」とは「水を力ずくで押しのけること」であり一般的には押しのける作業そのものだけでなく「特定の場所から押しのけられた不要な水そのもの」の意味でも使われます。

「排水」は水の成分や状態を表す言葉ではなく「必要かどうか」で決まります。

大型船は安定を保つために船底に海水を貯めますが、港に接岸して不要になると貯めておいた海水を海に放出します。

貯められていた海水も放出される海水も成分的な違いはありませんが航行に不要になった時点で外部に「排水」されます。

「排水」の使い方

・『洗濯に使って汚れた水を排水する』
・『船の大きさは排水量で表される』
・『汚れた水は排水口に流す』
・『潜水艦が浮上するときは内部に貯めておいた海水を排水して浮力を得る』

「廃水」とは?

「廃水」とは?

「廃水」とは、「汚れてしまい捨てる水」を意味します。

「廃水」が表しているのは「廃棄する水」です。

不要になったり使わなくなったりしたものを適切に処分することを「廃棄」といいます。

「廃水」とは「使えなくなって処分する水」であり一般的には「汚れた水」のことを指します。

「廃水」になるのは「もう使いようのない水」です。

きれいな水なら再利用も可能ですが汚染物質が混じった水をそのまま使うのは危険です。

もう使えない水は希釈して放出したり汚染物質を取り除いたりなど適切に処分することになります。

そのような「もう使いようがなく廃棄するしかない汚れた水」「廃水」です。

「廃水」の使い方

・『廃水をドラム缶に詰める』
・『廃水を処理するコストもバカにならない』
・『何の処理もしていない廃水を川に流してはいけない』
・『廃水処理施設では不純物を取り除いて水をきれいにしてから海に放出している』

「排水」と「廃水」の違い

「排水」と「廃水」の違い

「排水」「廃水」はどちらも不要な水を指しますが「排水」が水を取り除くことを意味するのに対し「廃水」は不要になった汚れた水そのものを指します。

「排水」は水の状態にかかわらず不要である場合に用いられる表現で「廃水」は水の状態が悪化して使えないために不要になっていることを表すという違いがあります。

外部に水を出すのが「排水」、捨てる水が「廃水」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「排水」「廃水」はどちらも不要になった水を指す言葉であり使われる場面も似ていることから混同しやすい表現です。

共通点はあるものの表している内容には明確な違いがあるのでそれぞれの正しい意味を覚えて適切に使い分けてください。