「口語」と「文語」はどちららも言葉のジャンルを示す言葉ですが、意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「口語」と「文語」の違いを分かりやすく説明していきます。
「口語」とは?
「口語」は「こうご」と読む言葉で、「話をする際に使用する言葉遣い」や「日常会話などで用いる言い回し」を意味し、「話し言葉」や「音声言語」と呼ばれることもあります。
なお、「話し言葉の形式」のことを「口語体」、「話し言葉をベースにして記された文」のことを「口語文」と呼びます。
「文語」とは?
「文語」は「ぶんご」と読む言葉で、「文字で記された言葉の総称」や「文章を記す際に使用する言葉遣い」を意味し、「書き言葉」や「文章言語」と呼ばれこともあります。
「書き言葉で記される文章形式」のことを「文語体」、「書き言葉によって作られた文」のことを「文語文」と呼びます。
「口語」と「文語」の違い
「口語」と「文語」の大きな違いは、「話し言葉か」もしくは「書き言葉か」という点です。
また、「口語」が普段の日常会話などに使用されることが多いのに対し、「文語」は文章や書類を書く際に使用されています。
具体的な例として、断定の意を表す際に「口語」では「です」や「ます」と表しますが、「文語」では「だ」や「である」と表現します。
また、方向を表す場合に「口語」では「あっち」や「そっち」などと表す一方で、「文語」では「あちら」や「そちら」といった言葉遣いになります。
そのほかにも、「いっぱい(口語)」と「多数(文語)」、「たぶん(口語)」と「おそらく(文語)」、「とても(口語)」と「非常に(文語)」など、多くの言葉や言い回しが話すか書くかによって「口語」と「文語」に分けられます。
ただし、状況によっては両者の使い方が変化する場合もあります。
例えば、「文を書く際」であったとしても、親しい人へのメールやブログ、日記などについては「口語」を使用しても差し支えないとされています。
なお、両者の概念は日本語だけでなく英語にもみられます。
例えば、英語で「でも」と伝えたい場合、「口語」だと“but”になりますが、「文語」だと“nevertheless”や“however”などの表現になります。
「口語」の例文
「口語」は「話し言葉」を意味し、日常会話で気さくに使用される言葉遣いのことを指します。
「口語で伝える」や「口語表現」といった使われ方をしています。
・『論文の要点を口語で分かりやすく伝える』
・『この言い回しの口語表現について調べる』
・『趣味についてのブログは口語で書いている』
「文語」の例文
「文語」は「文章で使われる言葉遣い」を意味し、「口語」に比べると堅い言い回しが多いのが特徴です。
用法の例として「文語で表す」や「文語表現」などがあります。
・『レポートの言葉遣いがカジュアルすぎるので文語で表すよう指導された』
・『ビジネス関連書類のほとんどが文語を用いて作成される』
・『論文では基本的に文語表現を使用する』
まとめ
「口」と「文」の文字で示されているように、「口語」は「話し言葉」で、「文語」は「書き言葉」を示します。
両者の意味や言い回しの例などを理解し、状況に応じて適切に使い分けましょう。
ぜひ言葉の知識のひとつとして参考にしてください。