「好待遇」と「厚待遇」の違いとは?分かりやすく解釈

「好待遇」と「厚待遇」の違い言葉・カタカナ語・言語

待遇の程度をあらわす言葉として「好待遇」「厚待遇」があります。

同じ読みを持つこのふたつの言葉はどのような違いで使い分ければいいのでしょうか。

今回は、「好待遇」「厚待遇」の違いについて解説します。

「好待遇」とは?

「好待遇」とは?

「好待遇」とは、「待遇が好ましいものであること」を意味する言葉です。

人に対するもてなしやあしらいのことを「待遇」といいます。

一般的には「雇用されて働く労働者の扱い」という意味で使われることが多く給料や休日数、労働時間など働くにあたって影響するすべての要素を総合する言葉「雇用条件」とほぼ同じ意味合いで用いられています。

「好待遇」とは「労働者にとって好ましい雇用条件」を指します。

給料が高かったり休みが多かったり個室が用意されたりなど、労働環境が魅力的で良い扱いをしてもらえる状態が「好待遇」です。

ある仕事における待遇は業界や業種によって平均が存在します。

「好待遇」とは「平均的な待遇と比較して良い」に加えて「労働者の主観から見て好ましい」という要素を含む表現です。

他の人にとってはあまりうれしくない条件であっても自分にとって好ましければ「好待遇」という表現が用いられます。

例えば子どもを保育園に迎えに行かなければいけないので残業は一切できない人にとって業務負担が重くても給料が平均以下でも残業なしを認めてもらえれば「好待遇」と呼ぶにふさわしい扱いとなります。

実際には総合的な待遇で判断されることが多くある要素のみが突出して優れていても他の要素が悪ければ「好待遇」とは表現しませんが客観的な基準よりも労働者の主観が重視される表現です。

「好待遇」の使い方

・『好待遇の仕事を探す』
・『転職するからには好待遇の職場に移りたい、と考えるのは当然だ』
・『本人にとって好待遇であれば何も問題はない』
・『好待遇かどうかは他人が判断することではなく自分で決めるべきことである』

「厚待遇」とは?

「厚待遇」とは?

「厚待遇」とは、「待遇が手厚いこと」を意味する言葉です。

十分に配慮して親切に扱うことを「手厚い」と表現します。

「厚待遇」とは「労働者に対する親切丁寧な取り扱い」を意味します。

具体的には「労働者にとって有利になるようあれこれと配慮してくれる優しい取り扱い」「厚待遇」の意味合いです。

生活に困らないように十分な給料を支給したり負担が重くなり過ぎないよう休日をたくさん与えたりなど「労働者に対して十分配慮されていると実感できるような良い雇用条件」「厚待遇」です。

「厚待遇」の使い方

・『厚待遇で迎えられる』
・『下にも置かない厚待遇に恐縮する』
・『厚待遇に答えるよう全力で働く』
・『仕事ができる社員には厚待遇で応える』

「好待遇」と「厚待遇」の違い

「好待遇」と「厚待遇」の違い

「好待遇」「厚待遇」の違いは「評価基準」です。

「好待遇」は労働者から見て好ましいと思えるような充実した労働条件を指すのに対し「厚待遇」は雇用する側が配慮してできる限りの労働環境を提供している様子を表します。

働く側から見た良待遇が「好待遇」、雇用側の配慮で実現している良い待遇が「厚待遇」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「好待遇」「厚待遇」は混同しやすい表現です。

厳密に使い分けられるケースは少なくほぼ同じ意味で使われますがニュアンスには微妙な違いがあるので注意しましょう。