この記事では、「天と地の差」と「雲泥の差」の違いを分かりやすく説明していきます。
難しい語を覚えていきましょう。
「天と地の差」とは?
天と地の差とは、驚くくらい違うこと。
月とスッポンくらい、正反対なことです。
比べようもないくらい、かけ離れていること。
相手にならないくらい実力差があることを「天と地の差」といいます。
天と地の差の「天」とは、宇宙や空です。
そして「地」とは、地面や地下をあらわします。
空と地面は、同じ自然ですが、比べようもないくらい「別のもの」です。
そして手を伸ばしても届かないくらい、どちらも離れています。
そのため、お話にもならないくらい違うこと。
勝負にならないような相手を、天と地の差といいます。
「天と地ほどの差」ともいいます。
「雲泥の差」とは?
雲泥の差とは、非常にかけ離れていること。
大きく隔たりがあることです。
おもに2人の人物や、2つの物事を見比べる場合に使われています。
もともと「雲泥の差」というのは、白居易の漢詩から生まれた表現です。
詩の中では、幼なじみの友人が以前とは比べようもないくらい風変りしてしまった姿を「雲泥の差」と例えています。
「雲泥の差」は「雲と泥のように大きな違いがある」という訳があります。
白い雲と黒く汚れた泥は、確かに似て非なるものです。
2つを見比べたときに、距離を感じるもの。
遠く離れているように思えるものが「雲泥の差」です。
「天と地の差」と「雲泥の差」の違い
どちらも同じようなニュアンスに思えます。
「天と地の差」と「雲泥の差」の違いを、分かりやすく解説します。
・違いがある「天と地の差」隔たりがある「雲泥の差」
「天と地の差」と「雲泥の差」はどちらも、大きな違いをあらわす慣用句です。
同じような表現して「雪と墨」や「提灯に釣り鐘」もあります。
そのため原則的には、どちらも同じように使えます。
ただ細かなニュアンスを掘り下げていくと「天と地の差」と「雲泥の差」には、意味の違いも見えてきます。
例えば「天と地の差」は「2つの物の差」を強調した言葉です。
月とスッポンのように、大きくかけ離れている様子を表現した言い回しになります。
一方で雲泥の差は「隔たり」を強調した言葉です。
そのため同じ人物の過去と現在を比べたとき、相手と自分の間に大きな実力の差を感じた場合など「心理的な隔たり」を感じるシーンでも好んで使われています。
「天と地の差」が単純な差をあらわすのに対して「雲泥の差」は「心の隔たり」もふくんだ文学的な表現です。
どちらも同じ意味がありますが、言葉がもつ余韻は少しずつ異なっています。
まとめ
「天と地の差」と「雲泥の差」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「驚くくらい差がついていること」をあらわす表現です。
「天と地の差」は比較にならないくらい、異なっていること。
そして「雲泥の差」は、お話にならないくらい隔たりがあることです。
語彙を増やしていきましょう。