この記事では、「点る」と「灯る」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている語句を使い分けていきましょう。
「点る」とは?
点る(ともる)とは、とぼすこと。
マッチをすって、キャンドルを明るくする動作です。
真っ赤な炎がゆらゆらと燃えている様子が「点る」になります。
もともと「点る」の「点」という漢字には「小さなしるし」という訳があります。
そのため大きな明かりではなく、小さな明かりをあらわしたものが「点る」です。
誕生日ケーキのろうそくに火をつけるとき、アロマキャンドルを明るく照らすときに「点る・点す」をつかいます。
「灯る」とは?
灯る(ともる)とは、照明をつけること。
電源のスイッチを押したり、コードを引っ張ったりして、その場を明るくする動作をあらわします。
暗い空間に明るい光を差し入れるのが「灯る」です。
灯るは、ちょうちんに明かりを入れる様子から生まれた言葉です。
そのため少し複雑につくられた、照明器具の電源をオンにすることを「灯る」といいます。
ブルーやシルバーなど、華やかなイルミネーションを付けることも「灯す」です。
また「灯す」は文学的な表現です。
「命を灯す・希望の光を灯す」ともいいます。
当事者の深い思いもあらわす、詩的なフレーズです。
「点る」と「灯る」の違い
どちらも「ともる」と書くので、間違えやすいです。
「点る」と「灯る」の違いを、分かりやすく解説します。
・小さな「点る」と大きな「灯る」「点る」と「灯る」は変換を間違えやすい語句です。
まず「点る」とは、手元のキャンドルに小さな炎をつけることです。
ライターやチャッカマンで、ろうそくを明るくするのが「点る」です。
そして「灯る」とは、クリスマスやバレンタインの屋外用イルミネーションを明るくすること。
住宅の照明や、センサーライトを付けることも灯るといいます。
そのため規模で例えると小さな炎が点る、大きな明かりが灯るになります。
また点るは、単純な明るさをあらわしますが、灯るは心の明るさも含めた情緒的な言い回しです。
そのため「暗かった人々の心に、明るい光が灯された」と用いることもあります。
見た目の明るさだけではなく、目に見えない心の温かさも言及したのが「灯る」です。
「点る」が明るくする単純な動作をあらわすのに対して「灯る」はその人の心の状態までふくめた、ふくよかな言い回しの言葉になっています。
ちなみに、もうひとつの「燈す」は古語として使われる言葉。
あんどうに火を入れる、江戸時代に使われていた言葉です。
まとめ
「点る」と「灯る」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「ともる」と読みます。
マッチをすって、ろうそくを明るくするのが「点る」。
住宅の照明や、屋外のイルミネーションを明るくするのが「灯る」です。
「点る」は単純な動作をあらわしますが「灯る」は、心の明るさも含んだ文学的なフレーズです。
正しくおさえておきましょう。