一般向けに出回っているDVDには「セル版」と「レンタル版」の2種類があります。
このふたつはどこに違いがあるのでしょうか。
今回は、DVDの「セル版」と「レンタル版」の違いについて解説します。
「セル版」とは?
DVDの「セル版」とは、「一般販売用に制作されたDVD」を意味する言葉です。
「セル版」の「セル」とは英語で「売る」を意味する「Sell」からきています。
「売る用のバージョン」が「セル版」であり消費者がショップでお金を払って購入するのがこのバージョンのDVDです。
「セル版」はお金を払って購入した人向けに制作されているので広告がありません。
本編映像以外にも特典映像やオーディオコメンタリー、解説ブックなど購入者限定の特典をつけるなどして価格に見合う価値を提供するためにさまざまな工夫をこらしているのが特徴です。
画質や音質など作品内容そのものは基本的に同じですが、一部の作品では流通ごとの表現基準の違いにより他とは異なる言葉遣いや表現などが用いられることがあり、特に洋画の場合は吹き替えや字幕の表現で「セル版」と他のバージョンとで異なるケースがよくあります。
「セル版」の使い方
・『DVDショップで販売されているのは全てセル版だ』
・『セル版のパッケージにはバーコードが印刷されている』
・『出演者によるオーディオコメンタリーはセル版の限定特典だ』
・『セル版では通常版と豪華付録がついた特別版の2種類がある』
「レンタル版」とは?
DVDの「レンタル版」とは、「レンタルショップでの貸出用に制作されたDVD」を指します。
映画やテレビ番組のDVDは一般向け以外にレンタルショップも重要な販売ルートになっています。
全国にあるDVDレンタルショップの利用者に貸し出すために業者が購入するDVDは販売枚数の中でも大きな割合を占めますが、貸し出しにあたっては映像の権利関係や金銭の分配など一般向けとは異なるルールが適用されます。
そのような「レンタルに関するさまざまなルールをクリアし貸し出しに使用しても問題がないDVD」が「レンタル版」です。
「レンタル版」の多くはコストを下げるために本編映像以外に広告映像が盛り込まれています。
本編の内容は一般向けと同じですが「レンタル版」には特典映像や特典映像などがついていないことがあります。
「レンタル版」の使い方
・『レンタルショップにおいてあるDVDは全てレンタル版だ』
・『レンタル版が欲しいならレンタルショップのワゴンセールを狙うのが近道である』
・『レンタル版には特典映像がない』
・『レンタル版は業者向けの特別なルートを通じて販売されている』
「セル版」と「レンタル版」の違い
「セル版」と「レンタル版」の違いは「流通ルート」です。
「セル版」は一般向けの小売で流通しますが「レンタル版」は業者向けの販売ルートからレンタルという形で一般利用者の手元に届きます。
もうひとつの大きな違いが「価格」です。
「セル版」は一般の人が購入し個人で楽しむためのものなので数千円程度に価格が設定されますが「レンタル版」は一枚のDVDがレンタルという形で多くの人に視聴され間接的に作品の販売機会を奪う形になるのでその保証金が上乗せされます。
さらに営利目的のビジネス使用には物品の貸与権や上映権など諸々の権利保証も絡みその分も価格に上乗せされるのでDVD1枚につき数万円することもあります。
まとめ
DVDの「セル版」と「レンタル版」は本編の映像こそ同じですがそれ以外の部分でいろいろと違います。
目に見える部分だけでなく見えない部分でも違いがあるので同じものとして扱わないよう注意しましょう。