ある作品が別の作品に類似しているとき「パクリ」と「パロディ」という言葉が使われますが、具体的にはどのような違いで区別されるのでしょうか。
今回は、「パクリ」と「パロディ」の違いについて解説します。
「パクリ」とは?
「パクリ」とは、「他人の生み出したアイデアや技法などを無断で使うこと」を意味する言葉です。
「他人の作品を勝手に利用し自分のもののように発表すること」を「盗作」といいます。
「パクリ」は盗作の一種であり決して許されない道徳に外れた行為です。
場合によっては著作権や肖像権など権利の侵害に該当する可能性があり、権利を侵害していることが法的に認められると損害賠償が発生します。
やってはいけない「パクリ」ですがどの程度の類似で「パクリ」と判断するかは難しいところです。
創作物というのは相互に影響しあうのが普通で他人の影響をまったく受けていない作品は存在しません。
オリジナルの作品であっても詳細に調べればどこかに必ず他人や別作品からの影響があるのが当たり前で完全に独立したオリジナル作品というものは存在しないと言っても過言ではありません。
一般的には「他人の功績を無断で自分のものにする行為」を「パクリ」と呼んでいます。
苦労して考えついたストーリーをそっくり使ったりキャラクターデザインを似せてきたりなど「人の手柄を盗み出すような類似性」を指して「パクリ」と表現します。
「パクリ」の使い方
・『目に余るほど類似点が多いことからパクリ疑惑が持ち上がる』
・『安易なパクリは自分にとってよくない結果をもたらす』
・『少しにているだけでパクリだと騒ぎ立てる風潮に疑問を抱く』
・『無関係の人間がパクリを指摘しても著作権者が訴えなければ罪にはならない』
「パロディ」とは?
「パロディ」とは、「既存の作品をベースに面白おかしくアレンジして新たな作品を作り出すこと」を意味する言葉です。
「有名作品の一部を誇張したり置き換えたりして面白みやおかしみなど新たな価値を持つまったく別作品を創作すること」を指して「パロディ」と表現します。
「パロディ」のベースにあるのは元となる作品の価値です。
ベースになる作品が知られていて初めて成立するのが「パロディ」なので対象になるのや有名な作品や歴史に名を残す作品などいわゆる名作と呼ばれる作品です。
真面目なものを面白くしたりありえない展開にしたり過激な表現を付け加えたりなど「付加された要素にオリジナリティがあり価値を加えることで元作品とは異なる魅力を持つ作品を創作すること」が「パロディ」です。
「パロディ」の使い方
・『戦隊ヒーローのパロディを作る』
・『出来の悪いパロディは見ていて辛くなる』
・『センスのない人間がパロディを手がけると駄作になってしまう』
・『有名作品のタイトルをパロディにして名前をつける』
「パクリ」と「パロディ」の違い
「パクリ」と「パロディ」は「元ネタの扱い」です。
「パクリ」は盗作なので元ネタが発覚するとまずいことになりますが「パロディ」は元ネタありきで作られるので元ネタが知られていないと困ります。
元ネタを知られたくないのが「パクリ」、元ネタを知ってほしいのが「パロディ」という違いで区別されます。
まとめ
「パクリ」と「パロディ」は似て非なるものです。
「パクリ」と「パロディ」のどちらなのかで論争が起きることもありますが言葉の定義を正しく理解していれば違いは一目瞭然です。
盗作騒動に巻き込まれる事のないようにそれぞれの言葉の定義をきちんと理解しておきましょう。