この記事では、「歌舞伎」と「能」の違いを分かりやすく説明していきます。
「歌舞伎」とは?
歌舞伎とは、日本に昔からある伝統芸能のこと。
江戸時代の娯楽で、ユネスコの無形文化遺産に制定されています。
日本らしい音楽と舞踊、そして独特の表情と、派手な演出を楽しめます。
歌舞伎は歌舞伎座という、専用のホールでおこなわれます。
昔ながらの時代劇、そして現代風にアレンジされた新作など、出し物はその都度かわります。
ひとつの公演は4時間くらいあり、お弁当を楽しみながらじっくり鑑賞できるのも歌舞伎の良さです。
運が良ければ当日券を発行してもらい、気軽に和の余韻にひたれます。
「能」とは?
能も日本を代表する、古典芸能です。
室町時代に生まれたもので、こちらもユネスコの無形文化遺産になっています。
能は能舞台と呼ばれる、松の絵が描かれた檜舞台でおこなわれます。
女性や男性、おじいさんや鬼など、ある人物になりきった「能面」をつけて静かに演じられます。
また舞台の隅には、笛や小太鼓、大太鼓などの楽器を演奏する方たちが、シナリオにあわせて音楽を奏でます。
能と聞くと敷居の高いものに捉えられがちですが、その演目はお笑い、ホラー、サスペンスと多岐にわたっています。
昔ながらのミュージカルとして楽しめるのが能の魅力です。
「歌舞伎」と「能」の違い
どちらも古典芸能のひとつです。
「歌舞伎」と「能」の違いを、分かりやすく解説します。
・ど派手なメイクの「歌舞伎」お面をつける「能」
「歌舞伎」と「能」はどちらも、日本に昔からある歴史的な演目です。
能は室町時代に生まれたもので、観阿弥と世阿弥という親子によって編み出されました。
その美しさに、足利一族がとくに夢中になったと言われています。
能の特徴は小太鼓や笛の優雅さと、しゃなりしゃなりとおどる演者の滑稽さです。
演者は「能面」と呼ばれる、木彫りのお面をかぶって舞台に登場します。
般若や獅子、鬼など、空想上のキャラクターが演じられることも多いです。
一方で江戸時代に大成したのが、現代でもとても人気がある歌舞伎です。
歌舞伎では黒や赤など、派手なメイクをほどこした演者があらわれます。
このメイクは隈取といって、目の動きや顔の動きをリアルに表現したものです。
またキャラクターによっては白や赤などの雅なかつらをかぶって、怒りや悲しみを表現します。
地味でしっとり、落ちついた能に比べて、派手でギラギラしているのが歌舞伎です。
能は室町時代の面影をそのまま活かした、昔ながらの演目を味わえます。
一方で歌舞伎は現代風にアレンジされ、モダンに進化しています。
まとめ
「歌舞伎」と「能」の違いを分かりやすくお伝えしました。
歌舞伎は江戸時代、能は室町時代に生まれました。
どちらも日本を代表する、古典芸能のひとつです。
歌舞伎はカラフルな化粧とかつら、着物が目をひく派手な演劇です。
そして能は木でつくられた能面をかぶる、上品な佇まいの能楽です。
和の文化を覚えていきましょう。