市の行政において中心となる場所を指す言葉として「市庁舎」と「市役所」があります。
このふたつの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「市庁舎」と「市役所」の違いについて解説します。
「市庁舎」とは?
「市庁舎」とは、「市の行政事務を行う組織が入居する建物」を意味する言葉です。
「市庁舎」は「市の庁舎」を意味する言葉です。
「庁舎」とは「公共の業務を行う国や地方公共団体の組織や関連団体が入居する」建物を指します。
「市庁舎」とは「市行政や行政に関連する業務を行う組織が入っている建物」を意味し、一般的は建物をまるごと使用している場合に用いられる言葉です。
基本的には「市政の中心組織が入居している建物」を指す言葉で「市に一つしかない市長室が設けられている建物」が「市庁舎」にあたります。
本来の意味は建物そのものを指しますが建物の中で働く公務員や人によって成立している組織的機能などもまるごと含めて「市庁舎」と表現することもあります。
「市庁舎」の使い方
・『市の中心部に新しい市庁舎が完成した』
・『市庁舎は老朽化が激しく耐震性にも不安があるので建て替えることになった』
・『市庁舎の6階には市長室がある』
・『市庁舎のデザインは個性的である』
「市役所」とは?
「市役所」とは、「市の行政事務や行政手続きを行う公共の組織」を意味する言葉です。
一般的に「市役所」という場合は「誌の行政において中心部分を担う施設」を指します。
市に関する手続きを行う中心施設であり届け出や申請など市民が行政手続きを行う際の窓口期間として機能するのが「市役所」です。
「市役所」という言葉には「行政機能を司る組織」という意味と「さまざまな行政手続きを行う場所」という2つの意味があります。
ムとしての意味と実体を持つハコモノとしての療法の意味を持つ「市役所」ですが基本的にふたつの要素は不可分であり明確に使い分けるというよりも文脈や話の流れで区別されます。
例えば「市役所に届け出を出す」という場合「手続き期間としての市役所に対して届け出る手続きをする」というシステム上の意味と「市役所に足を運んで届けで用紙に記入して提出する」という実際に行動する意味のふたつがありますがどちらも不可分で重なるところが多く明確な意味上の使い分けはされていません。
「市役所」の使い方
・『明日までに市役所に書類を提出しなければいけない』
・『原付の登録は市役所で陸運局ではなく市役所で手続きすればよい』
・『市役所行きのバスに乗る』
・『引っ越しの手続きをするために市役所に行く』
「市庁舎」と「市役所」の違い
「市庁舎」が建物そのものを指す言葉であるのに対し「市役所」は市の行政機能や行政を行う組織を指すという違いがあります。
市職員が集まり働いている市行政の中心となる建物が「市庁舎」、市行政の中心となる建物の中で活動している組織が「市役所」という違いで区別されます。
まとめ
「市庁舎」と「市役所」は明確な違いで区別されている言葉です。
同じ意味で使われることもあるため間違えやすい表現ですが本来の意味を正しく覚えてきちんと使い分けましょう。