職業を説明する言葉として「職名」と「職種」があります。
どちらも職業を指す言葉ですがどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「職名」と「職種」の違いについて解説します。
「職名」とは?
「職名」とは、「職業につけられている名前」を意味する言葉です。
世の中には様々な職業がありそれぞれ固有の名前が付けられています。
「職業が持つ固有の名前」を表す言葉が「職名」です。
「職名」が意味するのは「個別具体的な職業」です。
職業とひとくちにいってもいろいろな種類がありその数は膨大です。
似たような職業や役割が重なる職業なども多いのですが、そのような「類似する職業との混同を避けるために用いられる固有の職業名」を指して「職名」と呼びます。
一般的には「職業を細分化し説明している名称」が「職名」にあたります。
仕事の具体的な内容や役割を知りたいとき大雑把なくくりだけでは職業の細かい部分が伝わりません。
そのような場合には他の職業とはっきり区別できるよう「職名」が使われます。
どの程度まで細かく説明するかはケースによって異なります。
一般的には職業の分類よりももっと細かい説明が「職名」にあたります。
その職業の中でもどのような立場で仕事をしているか分かれば良いので「会社員」「販売員」など仕事における立場や役割がわかる名称が「職名」です。
「職」の使い方
・『申込用紙に職名を記入する』
・『職名を聞いたがイメージがわかない』
・『仕事について聞かれたので職名を答える』
・『新しい職名には馴染みがない』
「職種」とは?
「職種」とは、「共通点でくくられるおおまかな職業の種類」を意味する言葉です。
その仕事につくのに必要なスキルが似ていたり仕事内容に共通点があったりする近しい仕事の種類を「職種」といいます。
おおまかな仕事のくくりを指す言葉なので細かな違いは気にせず大体の部分で共通している仕事同士が「職種」としてくくられます。
販売をする仕事の種類なら「販売職」事務作業をこなす仕事なら「事務職」というように個別の仕事内容には違いがあっても全体的な仕事内容や作業の仕方が似ていれば「職種」として分類されます。
「職種」と似た言葉に「業種」があります。
業種は「職種」よりもさらに大きなくくりをあらわす言葉で同じ業界に属する仕事をひとまとめにした表現です。
建築業と言うのは建築業界に属する仕事すべてを指す言葉ですが「職種」はその中でも「技術職」や「営業職」など具体的についている仕事の種類を表します。
「職種」の使い方
・『希望する職種の求人広告をチェックする』
・『職種によって求人件数に大きな偏りがある』
・『特定の職種にだけ補助金が出ることに不満を覚える』
・『職種により人材の流動性には大きな違いがある』
「職名」と「職種」の違い
「職名」が商業における個別の名前を指すのに対し「職種」はいくつかの職業をまとめたものを指します。
「職名」は基本的にその人の職業上の立場を表しますが「職種」が表しているのは職業の種類なので具体的にどのような立場で働いているかわかりません。
細かい分類のない特殊な職業では「職名」と「職種」が同一になることもあります。
医者や弁護士など専門資格が必要な職業の多くは「職名」と「職種」が同じです。
まとめ
「職名」と「職種」は混同しやすい言葉です。
書類などに記入を求められたときになんと書けばいいのか混乱する人は少なくありません。
自分の「職名」と「職種」くらいはスムーズに答えられるようにしておきましょう。