春秋のシーズンになると「褒章」と「叙勲」のニュースが取り上げられます。
セットで報じられるこのふたつはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「褒章」と「叙勲」の違いについて解説します。
「褒章」とは?
「褒章」とは、「社会のさまざま分野で優れた行いやめざましい功績を残した人に対しその功績をたたえて授与される日本の栄典」を意味する言葉です。
国家が個人を顕彰する制度のことを「栄典」と言います。
栄典は顕彰の内容によって幾つかに湧かれますが「褒章」は「社会的に確かな功績を残した人に対して授けられる栄典」を指します。
「褒章」は簡単にいえば「個人が国から褒められること」です。
社会的のいろいろな分野で頑張ったり功績を残したりした立派な人に対して国が褒めるのが「褒章」にあたります。
功績をたたえるとともに記念品が贈呈されますが狭義では国から授与された記念品を指して「褒章」ということもあります。
「褒章」の対象となるのは「民間で行われる立派な活動」です。
具体的には人命救助や多額の寄付、文化や学術における業績など後世に伝えられるような素晴らしい行いに対して「褒章」が授与されます。
「褒章」の使い方
・『褒章は毎年春と秋に授与される』
・『親戚が褒章を授与されることになったのでパーティーを開く予定だ』
・『溺れた人を助けた功績で褒章をもらった』
・『褒章の記念メダルを飾る』
「叙勲」とは?
「叙勲」とは、「国や公共に対して多大な貢献をした人に対して授けられる勲章」を意味する言葉です。
活動を称えて国から与えられる栄典のひとつに「勲章」があります。
勲章は元々西洋で始まった栄典制度のひとつで個人の国のために行ったさまざまな活動を褒め称える意味で授与されるものです。
日本では勲章制度を「叙勲」という名称で読んでいます。
世界各国の国々に勲章制度は存在し日本の「叙勲」も世界の勲章と並ぶ栄誉あるものとして扱われます。
「叙勲」の対象になるのは「国や公共のための活動」であり公共性が高く評価されます。
基本的には国や公共のために長年活動してきた人を表彰するものであり対象になるのはほとんどが70歳以上です。
その多くは公務員が占めますが町内会長や消防団など民間でありながら公共性の強い活動に長年従事した人も「叙勲」の対象です。
「叙勲」の使い方
・『秋の叙勲がニュースで報じられた』
・『叙勲の対象になるのはとても名誉なことである』
・『叙勲に選ばれると皇居に招かれる』
・『光栄にも叙勲の対象になったので清掃を仕立てることにした』
「褒章」と「叙勲」の違い
「褒章」と「叙勲」の違いは「評価の対象」です。
「褒章」は国家や公共に対する貢献が評価の対象であるのに対し「叙勲」は社会における多大な功績が評価の対象になるという違いがあります。
公務員やそれに準ずる活動をした人に対し授与されるのが「叙勲」、民間の活動に対して授与されるのが「褒章」という違いもあります。
年齢も「褒章」は55歳以上、「叙勲」は70歳以上と異なります。
まとめ
「褒章」と「叙勲」はニュースなどでもひとまとめに扱われることが多く混同されやすいのですが明確な違いがあります。
授与される記念品や栄転としての格付けにも違いがあるので間違えないようにしましょう。