「カナブン」と「コガネムシ」の違いとは?分かりやすく解釈

「カナブン」と「コガネムシ」の違い虫・昆虫

この記事では、「カナブン」「コガネムシ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「カナブン」とは?

「カナブン」とは?

「カナブン」とは、甲虫目コガネムシ科の昆虫です。

後述する「コガネムシ」の近縁種のため、非常に見た目が似ています。

頭部は四角形をしており、たいらな背中、翅の付け根には、大きな三角形の模様があります。

体色も茶色や青、緑など自然に溶け込みやすく落ち着いた色をしていて、脚の先まで背中と同様の色をしています。

「カナブン」の体長は平均2. 5㎝程度で、種類によって大きさが異なりますが、体長が大きい個体が多くなっています。

「カナブン」の成虫は、カブトムシなどと同様に木から出る樹液や、熟している果物を主食としています。

幼虫期は土の中で過ごし、土繭を作成し羽化します。

成虫となると、餌を食べる時や繁殖時以外は基本的に土の中で生活しています。

夏に繁殖期を迎え交尾し産卵、環境にもよりますが1年半~2年ほどで孵化します。

「カナブン」は基本的に土の中や、枯れ葉の裏など、朽木などに生息しているので、土の中に存在している腐木を分解するという習性を持っているため、「カナブン」は人間には無害で自然環境を整える役割を持っている昆虫です。

「コガネムシ」とは?

「コガネムシ」とは?

「コガネムシ」とは、「カナブン」と同様に甲虫目コガネムシ科の昆虫です。

「コガネムシ」は丸みを帯びている頭部と背中、光沢のある緑色が特徴で、脚は黒っぽく毛が生えています。

「コガネムシ」の主食は植物の葉で、多くの植物を食べてしまうため人間からは害虫の扱いを受けています。

植物を食べたその場でフンをする特徴もあるので、食害とフン害を与える昆虫です。

「コガネムシ」も幼虫は土の中で過ごし、「カナブン」同様に土の中で繭を作り羽化します。

成虫となった「コガネムシ」は非常に活発で昼夜問わず食料を求めて飛び回り、エサになる植物の周りや、雑草地に生息しています。

産卵から孵化までは長くて1年程度と早く、夏に産卵された卵は春先には孵化します。

「コガネムシ」は体が重いため飛翔能力が乏しく、不安定な飛び方をします。

幼虫期でも土の中で植物の根を食べつくしてしまうために、幼虫成虫かかわらず害虫と扱われている昆虫です。

「カナブン」と「コガネムシ」の違い

「カナブン」と「コガネムシ」の違い

「カナブン」「コガネムシ」は同じ甲虫目コガネムシ科の昆虫です。

見た目や色合いもとても似ているため、全く同じ昆虫だと勘違いしている人もいるかもしれません。

しかし、よく見ると「カナブン」は全体的に平ぺったい身体で、「コガネムシ」は丸みを帯びています。

また、「カナブン」は翅の付け根に大きなはっきりとした三角形の模様が存在し、「コガネムシ」は小さい三角模様のみが存在しているために見分けが付きます。

飛び方も特徴的で、飛行能力が高い「カナブン」は安定した飛び方で着地もスムーズですが、「コガネムシ」は飛行が不安定でフラフラと飛びます。

最大の違いはエサにあり、樹液や腐った木、果物などを好む「カナブン」と違い、人間が育成している植物を根から葉まで枯れるまで食べつくしてしまう「コガネムシ」とは大きく異なります。

この性質から「コガネムシ」は人間にとって食害をもたらす害虫の扱いを受けています。

まとめ

まとめ

「カナブン」「コガネムシ」は近縁種のため非常に似た見た目をしています。

しかし、その習性や見た目にははっきりとした違いが存在しています。

「コガネムシ」は食欲旺盛で食害をもたらしますが、「カナブン」は自然を循環させる有益な昆虫です。

何を食べているかを観察する事で、「カナブン」「コガネムシ」かを判断する材料となるでしょう。