この記事では、「上回る」と「以上」の違いを分かりやすく説明していきます。
「上回る」の意味や使い方
「上回る」とは、基準となる数や量より上になるという意味の言葉です。
よって、テストの成績で「全教科とも平均点を上回った」と使った場合、どの教科も平均点より上の点数が採れたと言っていることになります。
一般でも「今年は早くも昨年一年間の降水量を上回る勢いだ」などとよく使われる言葉で、その年は雨が多い所為で、もう昨年に降った雨の総量に達し、超えてしまいそうだと表現しています。
この「超える」という表現になる言葉の為、基準となる数字は含みません。
例えば、「50を上回る数」と言った時には、50は含まないそれより上の数のことになるので注意してください。
「以上」の意味や使い方
「以上」は、基準の数や量を含み、それより上も該当する言葉となっています。
「全教科とも平均点以上だ」とした時には、どの教科もちょうど平均点か、それより上だったという解釈になり、よく見聞きする「20歳以上」という使い方は、ちょうど20歳の人も含んでいます。
その点が「上回る」との違いですが、50(基準)に対し、60や70など上の数字ばかりを指して使うような場合はどちらで表現しても同じです。
「上回る」と「以上」の違い
この2つの言葉は、「50を上回る」と使った時には、50は含まずにそれより上だけが対象になりますが、「50以上」とすると、50も含むことになるという違いがあります。
そのように、基準の数や量も含むか含まないかの違いなので、使い分けはとても簡単です。
「上回る」を使った例文と意味を解釈
「上回る」を使った例文と、その意味の解釈になります。
少しだけでも基準より上でないと、この表現には該当しません。
「20位の選手を上回るタイムが出れば、予選通過になると聞いた」
20位の選手のタイムと比較して、少しであってもそれより速くないといけないと解釈してください。
タイムを争うレースでは、このような使われ方が多いです。
「以上」を使った例文と意味を解釈
こちらは「以上」を使った例文と、その意味の解釈になります。
年齢制限があるものに対してよく使われています。
「そう言えば、選挙権が18歳以上になって今年でもう5年目だ」
日本の公職選挙における選挙権は、2016年の6月から18歳以上と改められました。
正確には、投票日の翌日に18歳になる場合まで含んでおり、当日は満17歳であっても、その翌日が誕生日であれば投票することができます(そのような人にもきちんと投票用紙が送付されてきます)。
尚、選挙権こそ18歳以上になりましたが、「成人」という定義は20歳以上のままなので、この違いに気を付けてください。
まとめ
「上回る」と「以上」の違いは、以上の通りです。
「上回る」と使うと、「それよりも上」となると覚えておくといいでしょう。