この記事では、「過疎地域」と「限界集落」の違いを分かりやすく説明していきます。
地域にまつわる語を学んでいきましょう。
「過疎地域」とは?
過疎地域(かそちいき)とは、住民の数が減ってしまい、その地域の生活が成り立たなくなること。
暮らしやすい都心部への引っ越し、少子高齢化によって生まれた地方の問題です。
過疎地域は総務省がすすめている「過疎地域の条件」にあてはまる自治体や区をいいます。
人口や財政力、交通網や教育施設の数など、あらゆる観点から判断して、過疎地域が決定されます。
また過疎地域に認定されると、国による財政措置がはじまります。
全国で過疎地域が増えると、地方の路線がなくなったり、国産の農産物が作れなくなったり、国としても色々な問題が出てきます。
最近では都市から地方に人を呼び込む、町おこしのイベントが多数うまれています。
子育てしやすく、仕事もしやすい魅力的な地方に整えていくための、色々なアイデアが出されています。
「限界集落」とは?
限界集落(げんかいしゅうらく)とは、65歳以上の高齢者が多い集落のこと。
若者が少なくなって、これからの暮らしぶりに不安を感じるエリアを「限界集落」とよんでいます。
厳密には65歳以上の高齢者が住民の半分を上回ったとき「限界集落」といいます。
限界集落は社会学者が1990年代に唱えた言い方です。
ネガティブな名前だという意見もあるため、政府や自治体ではこのようなエリアを「維持がむずかしい集落」や「担い手のすくない集落」と言いかえて使っています。
地方ではこのような集落を防ぐために、空き家バンクを始めとした新たな誘致の取り組みを始めています。
通信インフラの整備をおこない、企業誘致を積極的におこなっている自治体もあります。
多くの地方が抱える問題が「限界集落」です。
「過疎地域」と「限界集落」の違い
いすれも過疎にまつわる用語です。
「過疎地域」と「限界集落」の違いを、分かりやすく解説します。
・特別措置があるのは「過疎地域」
「過疎地域」と「限界集落」は間違えやすい言葉です。
もともとの定義をおさらいすると、過疎地域は人口が減って、これまでの生活が維持できないエリアのこと。
財政状況や人口減少など、あらゆる項目をもとに「過疎地域」が認定されます。
過疎地域になると法律に従って、特別措置がおこなわれます。
一方で「限界集落」は、おもに民間企業でつかわれる表現です。
65歳以上の人口が住民の半分をこえたエリアが、限界集落と呼ばれています。
空き家バンクや企業誘致など、地方再生にまつわる事業をおこなうときに使われます。
限界集落は響きがあまり良くないため、最近ではその呼び名を控える動きも出ています。
まとめ
「過疎地域」と「限界集落」の違いを、分かりやすくお伝えしました。
「過疎地域」は国の要件に基づいてはじき出される、少子高齢化によって不便な暮らしを強いられている地域のこと。
限界集落は民間の言葉で、65歳以上の人口が半数をしめたエリアをいいます。
言葉の違いをおさえておきましょう。