この記事では、「恒常化」と「常態化」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恒常化」とは?
「恒常化」とは常にその状態で一定していて変わらず、その状態が普段の状態だと認識されるほどに常時その状態になっていることです。
例えば職場内で挨拶をする習慣がなかった職場で、誰かがずっと挨拶を続けていた結果、お互いに挨拶をする習慣が根付いた場合、それは挨拶が「恒常化」したと言えます。
ただし「恒常化」はその変化が良いことか悪いことかは関係ありません。
例とは逆に、挨拶する習慣があった職場が、何らかの理由でだれも挨拶しなくなったら、それは挨拶しないことが「恒常化」したということになります。
それが良い変化にしろ悪い変化にしろ、習慣や状態などが何らかの形に変化し、それが一時的なもので終わらず、一度変化してからずっとその状態を保つようになったということを表す言葉が「恒常化」です。
「常態化」とは?
「常態化」とは元々異常だったことが通常の状態になることです。
何が異常で何が正常なのかは様々な要因によって変わるので一概に決めることは難しく、何が普段の状態になったら「常態化」と呼ぶかは判断が分かれます。
ですが法律的や道徳的に考えて悪いことをするのは異常なことなので、本当は悪いことではあるけれど、それが平常になってしまったということを「常態化」と呼ぶことが多いです。
例えば事故防止のためにあえて手順を増やしている機械の操作を、面倒だからと安全のための手順を省略していつも操作するようになったら、それは「常態化」になります。
善悪が「常態化」という言葉が使えるかどうかの明確なボーダーとして使われ、悪いことが平常のことになるという意味で使われるようになってしまったため、「常態化」も悪い言葉と認識される事が多い言葉です。
「恒常化」と「常態化」の違い
「恒常化」と「常態化」の違いを、分かりやすく解説します。
何らかの状態が通常の状態として安定し定着することが「恒常化」で、元々以上だったことが平常のこととして続けられるようになってしまったことが「常態化」です。
「恒常化」は良い変化にも悪い変化にも使われますが、「常態化」は基本的に悪いことやしてはいけないことが一般的なことになってしまうことを指し、良い変化には使われません。
本来そうなるのはおかしいことが平常運転になることが「常態化」も、以前の状態から何かの状態が変わり、それが普段の状態となる「恒常化」の一種と言えるでしょう。
まとめ
「恒常化」には変わったことが良いことなのか悪いことかなのかも無関係ですが、「常態化」は基本的に悪い変化です。
今までの状態から、何らかの状態が日常的な通常状態に変化したらそれが「恒常化」と言えますが、その中でも本来してはいけないこと、一般的に悪くて異常なことが日常的になった場合は、「恒常化」を「常態化」と言い換えることもできるようになります。