この記事では、「早い」と「素早い」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を正しく学んでいきましょう。
「早い」とは?
早い(はやい)とは、時間が短いこと。
展開がスピーディで、切り替えにモタモタ時間がかかっていない様子をあらわします。
あっという間に進むことが「早い」です。
もともと「早い」という漢字は「時間をおかない」という意味があります。
そのため短時間で作業を終わらせることを「仕事が早い」といいます。
また江戸っ子のようにせっかちな人を「気が早い」といいます。
また「早い時間」というと、1日のうちの前半、明け方や午前中をあらわします。
「早いもの勝ち」だと、先着順であることを示します。
このように速やかにおこなうさま、物事がスピーディに進むのが「早い」です。
「素早い」とは?
素早い(すばやい)とは、すばしっこいこと。
まごまごしていないで、すぐに仕事に取り掛かるさまです。
キビキビしていて、悩んでいない活発な様子をあらわします。
素早いは「素」に「早い」が組み合わさった、ユニークな語です。
もともと「素」という漢字は、染色していないシルクの糸をあらわした語です。
そのため余計なことをおこなわない、ストレートな行動が「素早い」になります。
悩んだり考えたり遠回りをしていない、機敏な動作をあらわします。
「素早い対応」や「素早い決断」は、どちらも優柔不断ではない、活発な動作をあらわす言葉です。
すぐに考えてすぐに行動に移せる身軽さが「素早い」です。
「早い」と「素早い」の違い
どちらも「早い」が付いているので、紛らわしいです。
「早い」と「素早い」の違いを、分かりやすく解説します。
・時間の「早い」行動の「素早い」
「早い」は「遅い」の反対語です。
そのため季節や時間が、ほかと比べて「はやいこと」をあらわします。
例えば「今年の桜は早い」というと、いつものシーズンに比べて早咲きの桜をあらわします。
一方で「今年の桜は素早い」とはいいません。
そして「素早い」はおもに、人の行動に対して使います。
例えばサッカー選手の活躍ぶりを言い表すとき。
「素早いプレーが、チームを救った」といいます。
反対に「早いプレーが、チームを救った」とはいいません。
「素早い」は無駄のない、キレのある行動力をあらわします。
褒め言葉としてのニュアンスが強いので、このような場合には「素早い」を使っていきます。
ただ「早い」も人の動作に対して、使うこともあります。
「彼は仕事が早い」というと、他の人に比べて仕事ぶりが優秀な様子をあらわします。
まとめると時間や季節、仕事ぶりが、他と比べて早いのが「早い」。
ソツなくキビキビ行動するのが「素早い」です。
まとめ
「早い」と「素早い」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「早い」は時間帯がはやいこと。
展開や物事のスピーディさを、あらわします。
そして「素早い」は思ったらすぐに行動できること。
キビキビとしていて、すぐに動ける人柄をあらわします。