この記事では、「便り」と「消息」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を使い分けていきましょう。
「便り」とは?
「便り」とは、お知らせのこと。
どのように暮らしているのか、元気でやっているか、無事を伝えることです。
最近の状況を教えること、またはそうした情報そのものを「便り」といいます。
もともと「便り」という言葉は「郵便でとどく手紙」という訳があります。
そのため、両親や兄弟、恋人など近しい間柄に、自分の状況を書き添えた手紙を「便り」と呼んでいました。
「便りがないのは、良い便り」ということわざがあります。
これは「何も連絡がないのは、かえってその人の無事を伝える嬉しい証拠」を表現したものです。
今のようにネットが発達していない時代に生まれた、なつかしい表現です。
「消息」とは?
「消息」とは、くわしい状況のこと。
事件の全容や、その人の安否にまつわる情報です。
反対に「消息不明」というと相手とまったく連絡が取れない、危険な状況をあらわします。
気がかりなニュースで、よく耳にするのが消息です。
そもそも消息とは「息を消す」と書きます。
この場合の「息」とは、不安な気持ちのこと。
古い随筆にもある言葉で「他人の無事を聞いて、ほっとする様子」から生まれた言葉です。
そのため音信不通になることを「消息が途絶える」、反対に連絡が取れるようになることを「消息をつかむ」といいます。
その人の行方や、身の安全をたとえる表現が「消息」です。
「便り」と「消息」の違い
どちらも「お知らせ」にまつわる言葉です。
「便り」と「消息」の違いを、分かりやすく解説します。
・家族の「便り」事件の「消息」
どちらも「近況をお知らせする」という意味があります。
「便り」は近況を伝える手紙という訳になります。
「1人暮らしの息子から、便りが届く」や「単身赴任の父から、便りが届いた」のように、家族から連絡が届くことをあらわします。
また「桜の便り」や「梅の便り」のように、ひと足はやく花が咲いた様子もつたえる表現です。
そして「消息」は何らかの事件に巻き込まれて、連絡が取れなくなった状態につかいます。
地震などの災害に巻き込まれて、状況がよく分からない場合に用いられています。
また飛行機や大型船がレーダーから外れて行方不明になることも「消息を絶つ」といいます。
おさらいすると、個人的な連絡に使うのが「便り」。
より大きな事件や状況に用いるのが「消息」です。
便りは「春の便り」のように、ハッピーなシーンで使われます。
一方で「消息」は事件性のあるアンハッピーなシーンで用いられます。
明るいのが便り、暗さを帯びているのが消息です。
まとめ
「便り」と「消息」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「便り」とは「近況のお知らせ」のこと。
おもに家族の連絡につかいます。
そして「消息」は「安否がわかる状況」のこと。
おもにニュースで用いられています。
使い分けを覚えておきましょう。