この記事では、「擁する」と「率いる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「擁する」の意味や使い方
「擁する」は、「所有する」という解釈で使われる言葉です。
「抱き抱える」という意味にもなりますが、あまりそちらでは使われておらず、一般によく見聞きするのは、スポーツでの「○○擁する強豪チーム」などという使い方で、そのような場合、○○という選手がそのチームで強力な存在だったり、中心選手だというニュアンスになるのは実際の使われ方から解釈に難しくないでしょう。
特にそのような意味は含まれていない言葉ですが、そういったニュアンスで用いられる言葉だと覚えておいて構いません。
物が対象で、「○○を擁するだけに~」のように使われた時には、○○が鍵になったり、大きな存在だという意味だと解釈してください。
「率いる」の意味や使い方
「率いる」は、引き連れるという意味になる言葉で、対象が何かをそのようにしていると表現する為に使われます。
こちらもスポーツの分野で「○○監督率いる~」のような使われ方が多く見られ、○○監督が選手を引き連れるという意味だけになります。
また、「擁する」と同じくそれだけではなく、○○監督に強調した含みがあると考えることができ、このような使い方では、有名(だったり、実績のある)監督が~といった意味になると解釈していいでしょう。
「擁する」と「率いる」の違い
このように、「擁する」と「率いる」は、共に本来の意味にはない含みと共に使われる言葉です。
実際にも、「次の相手は、○○を擁するだけに注意が必要だ」、「○○が率いるだけに、油断できない」といったように、○○に注目した(して欲しいと考えた)用いられ方がほとんどです。
「擁する」は、それを抱えている、「率いる」の方は、それが引き連れるという意味になるので、どちらと表現したいのかによって使い分けてください。
「擁する」を使った例文と意味を解釈
「擁する」を使った例文と、その意味の解釈になります。
人物や物が対象になるだけでなく、このような使い方もできる言葉です。
「社員5万人を擁する大企業だけに、倒産してしまうと世間的な影響は避けられないだろう」
5万人も社員が居ることを強調する使い方となっています。
そこに注目だという意味で、こういった使い方もまま見掛けます。
「率いる」を使った例文と意味を解釈
こちらは「率いる」を使った例文と、その意味の解釈になります。
この言葉で表現されると、どうしても対象に注目となるでしょう。
「あのかつての名選手が率いるチームだが、成績の方は今ひとつだ」
名選手、名監督にあらずといった言葉もあるように、名選手が必ずしも名監督になるとは限らず、その逆の場合の方が多いと言われています。
実際に名監督となった例も少なからずありますが、そうではない(なかった)方が多いことから、そのような言葉があると考えていいでしょう。
まとめ
「擁する」と「率いる」は、このような言葉になります。
これらが使われた際には、どちらも対象となる人物などに注目してください。