「放つ」と「隔てる」は似たような意味を連想してしまう混同しやすい言葉ですが、「放つ」と「隔てる」の意味・使い方の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「放つ」と「隔てる」の違いを分かりやすく解説します。
「放つ」の意味や使い方
「放つ」という表現は、「束縛されていたものや閉じ込められていたものを自由に動けるようにしてあげる」や「弾丸・矢などを打ち出す、発射する」の意味を持っています。
「放つ」には、「外に向けて光・音・匂いなどを発する」や「世の中に作品・主張などを発表する」、「使いとして行かせる」、「人をつける・放火する」、「視線を向ける」などの意味合いもあります。
「放つ」の使い方は「小鳥を空に放つ」のように「閉じ込めていたものを自由にする時」、「拳銃の弾を放つ」のように「弾丸を発射する時」、「作品を世に放つ」のように「世の中に発表する時」などに使うという使い方になります。
「スパイを放つ」や「火を放つ」、「目線を放つ」といった文章でも使用することが可能です。
「隔てる」の意味や使い方
「隔てる」という表現は、「物を間に置いて遮る(さえぎる)」や「物理的・時間的に距離を置くこと」、「心理的な壁をつくって人間関係を疎遠にすること」を意味しています。
「隔てる」の使い方は「ロープで土地を隔てる」のように「物を置いて遮る場合」、「500メートル隔てた場所に施設があります」のように「物理的に距離を置く時」、「二人の関係を隔てる」のように「人間関係を疎遠にする時」に使うという使い方になります。
「放つ」と「隔てる」の違い
「放つ」と「隔てる」の意味の違いを、分かりやすく説明します。
「放つ」という言葉は「束縛されていたもの(閉じ込められていたもの)を自由に動けるようにする」や「弾丸・矢などを発射する」の意味を持っていますが、「隔てる」は「物を間に置いて遮ること・物理的時間的に距離を置くこと」を意味しているという明らかな違いがあります。
「放つ」には「外部に向かって光・音・匂いなどを出す」や「世の中に発表する」といった意味合いもありますが、「隔てる」にはそういった意味がない違いもあります。
さらに「隔てる」という表現には、「二人の間に心理的な壁をつくる・人間関係を疎くする」といった意味もあるのですが、「価値観の違いが二人を隔てました」とは言えても、「価値観の違いが二人を放ちました」では意味が通じないという違いを指摘できます。
「放つ」を使った例文と意味を解釈
「放つ」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「罠にかかっていたイノシシの子供を再び山に放ちました」
この「放つ」を使った例文は、「放つ」の表現を、「罠にかけて捕獲していたイノシシの子供を、再び山に解放して自由にしてあげました」という意味で使っています。
「隔てる」を使った例文と意味を解釈
「隔てる」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「10年の歳月を隔てて、過去の人気作品が復刊するというニュースを聞いて嬉しい気持ちになりました」
この「隔てる」を使った例文は、「隔てる」の表現を、「10年の歳月という時間的な距離を置いて(時間的な間を開いて)」の意味を持つ文脈で使っています。
まとめ
「放つ」と「隔てる」の意味の違いを詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「放つ」というのは、「束縛されていたものを自由に動けるようにしてあげる」や「弾丸・矢などを発射する」、「外に向かって光・音・匂いなどを出す」、「世の中に出す」などの意味を持っています。
それに対して、「隔てる」という表現は「物を間に置いて遮る」や「物理的・時間的に距離を置く」などを意味しています。
「放つ」と「隔てる」の意味の違いを調べたい時には、この記事の解説を確認してみてください。