この記事では、「覆す」と「翻す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「覆す」の意味や使い方
「覆す」の意味と使い方について紹介します。
意味
「覆す」は「くつがえす」と読み、意味は以下の4つです。
1つ目は、「ひっくり返す」という意味で、かなり大きなものを裏返しにすることを言います。
2つ目は「倒して滅ぼす」という意味で、現在上位にあり全体を取り仕切っているものに対して反抗をして、立場を逆転させることを言います。
3つ目は「それまで正しいとされてきた考え方や決まりを根本から変える」という意味で、多くの人がそう思っていたことと逆の結果を導き出すことを言います。
使い方
「覆す」は動詞で、文末にそのまま使ったり、「覆される・された」と受け身形で使います。
「ひっくり返す」の言い換えになり、組織や団体、または重量のあるものや、一般常識や法則など、人が手でひっくり返せない様なものに対して使われます。
ものごとを一部分だけではなく、根本からそっくり変えることを表す言葉です。
「翻す」の意味や使い方
「翻す」の意味と使い方について紹介します。
意味
「翻す」は「ひるがえす」と読み、意味は以下の4つです。
1つ目は「さっと裏返しにする」という意味で、今まで伏せてあったものを素早くひっくり返して反対側にすることを言います。
2つ目は「身体を回転させること」という意味で、踊る時などに身体を素早く動かす様子を言います。
3つ目は「急に態度を変えること」という意味で、決まっている事を一方的に変更することを言います。
4つ目は「風になびかせる」という意味で、布など大きくて薄いものを空中にひらひらさせることを言います。
使い方
「翻す」は動詞で、文末にそのまま使ったり、副詞として「翻して」と使ったりします。
言動や布など、軽量で空中に舞う様に簡単にひっくり返せることに使われます。
「翻す」はビジネスにも使われ、「態度を翻す」「主張を翻す」など、「今までの言動を撤回して反対のことをする時」を表します。
また、「旗を翻す」という場合は単純い「旗を立てて空中にひらめかせる」という意味ですが、「反旗を翻す」となると、「反抗したり謀反を起こしたりすること」都いう意味になります。
「覆す」と「翻す」の違い
「覆す」は、「既に決まっていた事柄を、根本から変えること」です。
「翻す」は、「今までの考えや決めごとを、突然否定して変えること」です。
「覆す」を使った例文と意味を解釈
「今までの常識を覆す様な製品を発表した」
それまで一般的に「こうあるべき」と決まっていたことを全く無視して、真逆の発想で新商品を開発したことを表しています。
「翻す」を使った例文と意味を解釈
「顧客が急に態度を翻してきた」
それまで顧客との交渉がスムーズに進んできたのですが、急に顧客が契約を渋ってきたことを表しています。
まとめ
「覆す」と「翻す」は、どの様に変えるかという点で違いがあります。
ビジネスでよく使われる言葉ですので、使い分けできる様にしておきましょう。