「備忘価額」と「残存価額」は類似した意味をイメージしやすい会計・簿記の専門用語ですが、「備忘価額」と「残存価額」の意味・使い方の違いを正しく理解できていますか?
この記事では、「備忘価額」と「残存価額」の意味の違いを、分かりやすく説明していきます。
「備忘価額」とは?
「備忘価額(びぼうかがく)」という会計用語は、「耐用年数経過・市場価値喪失などで実質的な経済価値を失った資産を1円・10円などの切りの良い額面で忘れないように記載したもの」を意味しています。
「備忘価額」は、「固定資産の存在を忘れないために(残存価額を0円にしないために)設定される金額」を意味している概念なのです。
「残存価額」とは?
「残存価額(ざんぞんかがく)」という会計用語には、「固定資産(耐久消費財)の価値について、一般的な耐用年数が経過した時点でもまだ残っていると見なされる時価評価額・簿価」の意味があります。
「残存価額」は「10年で取得価額の10%という見なしの簿価」であるため、実際に耐用年数経過後に中古で売ってもそれだけの価値がないことも多い特徴があります。
ただし、税法改正によって備忘価額まで減価償却することが可能になったため、現在では「残存価額」の概念は会計実務で使われなくなっています。
「備忘価額」と「残存価額」の違い!
「備忘価額」と「残存価額」の違いを、分かりやすく解説します。
「備忘価額」という会計用語は、「耐用年数経過・老朽化・取り扱いの廃止などで実質的経済価値を失った資産を1円・10円などの切りの良い額面で忘れないように記載したもの」を意味しています。
「備忘価額」とは、「固定資産の減価償却費の計算において、残存価額が0円になることを防ぐ目的」で設定されるものなのです。
それに対して、「残存価額」とは「固定資産(耐久消費財)について、その耐用年数が経過した時点でもまだ残っていると見なされている時価としての簿価(10年経過で取得価額の10%になる)」を意味しているという違いがあります。
ただし、現在は度重なる税法改正によって「備忘価額」まで償却可能である前提に変わり、「残存価額」という概念は使用しなくなっているので注意してください。
まとめ
「備忘価額」と「残存価額」の意味の違いを詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「備忘価額」という会計用語は、「耐用年数経過などで実質的な経済価値を失った資産を1円・10円などの額面で忘れないように記載したもの」を意味しています。
それに対して、「残存価額」という表現には「固定資産(耐久消費財)の価値について、耐用年数が経過した時点でも残っていると見なされる簿価・時価」の意味があります。
「備忘価額」と「残存価額」の意味の違いを調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。