「底上げ」と「引き上げ」は双方とも「上げ」という言葉が使われていますが、細かな意味合いが異なるため区別して使う必要があります。
この記事では、「底上げ」と「引き上げ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「底上げ」とは?
「底上げ」は「そこあげ」と読む言葉で、「低い水準や数値などを高くすること」を意味します。
「底」には「最も低いところ」「下部」といった意味があり、「上げ」には「下にある物などを高いところに移すこと」などの意味が含まれています。
「引き上げ」とは?
「ひきあげ」と読む「引き上げ」は、「何かを引っ張って上の方に上げること」や「水準や値段などを高くすること」などの意味を持ちます。
「引っ張ること」などを表す「引き」と、「低い所にあるものを高い所に移す」といった意を示す「上げ」が組み合わさった表現です。
「底上げ」と「引き上げ」の違い
「底上げ」も「引き上げ」も「水準などを高くすること」という意味合いを含む点は共通していますが、次のような違いがあります。
「底上げ」は「低い数値や水準などをより高くすること」を示す通り、「通常よりも低いと思われる状態にあるもの」や「最低ラインのもの」を高くするという意味があります。
一方、「引き上げ」は「水準や値段などを高くすること」を表し、「もともとの水準や値段の程度に関わらずそれらを高くする」という意味合いが強い言葉といえます。
また、「引き上げ」の場合は「物などを引っ張って上の方向に上げること」という意味でも使用されます。
「底上げ」の例文
「底上げ」は「〜の底上げ」や「〜を底上げする」のように用います。
ビジネスや経済、教育など様々な分野で使用されている言葉です。
・『上層部に最低賃金の底上げを要求する』
・『地域全体の学力を底上げする必要がある』
「引き上げ」の例文
「引き上げ」は「〜の引き上げ」や「〜を引き上げる」などのように使用します。
こちらも幅広いシーンで用いられています。
・『沈没した船舶の引き上げ作業が始まった』
・『従業員の給料を引き上げる』
まとめ
「底上げ」は「低い水準や数値などを高くすること」を示し、「引き上げ」は「何かを引っ張って上方に上げること」「水準や値段などを高くすること」を示します。
両者の意味や使用例を理解して、シチュエーションに合わせて使い分けましょう。