「異なる」と「違う」は同じような意味をイメージする類義語の言葉ですが、「異なる」と「違う」の意味・使い方の違いを正しく理解できていますか?
この記事では、「異なる」と「違う」の意味の違いを分かりやすく解説していきます。
「異なる」の意味や使い方
「異なる」という表現は、「ある物事・人物・様子が他と同じではないこと」や「二つ以上の物事・事象の間に違いがあること」を意味しています。
「異なる」の使い方は「夫婦で価値観が大きく異なると問題が増えます」の例文のように、「二つ(二人)以上の間に違いがあって同じではないさま」を意味して使うことができます。
「違う」の意味や使い方
「違う」という言葉は、「ある物事が他の物事と異なっていて同じではないさま」を意味しています。
「違う」には、「正しくない・間違っている・格差(隔たり)がある」という意味合いもあります。
「違う」の使い方は「お釣りの金額が違っていました」の例文のように、「二つ以上の物事が異なっている場合」や「正しくない場合(間違っている時)」に使うという使い方になります。
「異なる」と「違う」の違い
「異なる」と「違う」の意味・用法の違いを、分かりやすく説明していきます。
「異なる」も「違う」も「ある物事と他の物事が同じではないこと」を意味していますが、「異なる」のほうが「違う」よりも文語的(書き言葉的)でやや硬い印象を与えるという違いがあります。
そのため、数学の文章問題などでは「違う二本の直線」とは言わずに、「異なる二本の直線」と言う表現が一般的に使われます。
「違う」という表現には、「異なる」にはない「間違っている・正しくない」の意味があるという違いも指摘できます。
例えば、「それは違う」は「それとは異なる」と比べると、「それは正しくありません(間違っています)」という意味のニュアンスがあるのです。
また「違う」には「異なる」にはない「隔たり・格差がある」という意味合いもあり、「能力が違う」は「能力が異なる」と比べると「能力に優劣の格差がある」というニュアンスが強くなります。
「異なる」を使った例文と意味を解釈
「異なる」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「過去に彼を見た時に比べると、この十年で彼の印象は大きく異なっていました」
この「異なる」を使った例文は、「異なる」の表現を、「この十年で彼の印象は大きく過去の印象とは違っていました(まったく過去と同じではありませんでした)」という意味を持つ文章で使用しています。
「違う」を使った例文と意味を解釈
「違う」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「私に配られた申請用の書類は、本来配布されるべき書類とは違っていました」
この「違う」を使った例文は、「違う」の表現を、「本来配布されるべき書類ではなくて間違っていました(本来配布されるべき書類とは異なるものでした)」の意味で使っています。
まとめ
「異なる」と「違う」の意味の違いを詳細に説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「異なる」という表現は、「ある物事が他の物事と同じではないこと」を意味しています。
それに対して、「違う」という表現は「ある物事が他の物事と異なっているさま」や「正しくない(間違っている)・隔たりや格差がある」の意味を持っています。
「異なる」と「違う」の意味の違いを詳しく調べたい時には、この記事の説明をチェックしてみてください。