この記事では、「過払金」と「債務整理」の違いを分かりやすく説明していきます。
「過払金」とは?
「過払金」とは、本来は支払う必要が無い、借りたお金に対する利息分のことです。
現在の利息制限法では最高でも年率20%までと決まっていますが、それ以前はもっと高い利息でお金を貸していた金融業者ばかりでした。
しかしながら、出資法の方を適用すれば合法の範囲(そちらの上限は年率29. 2%でした)だった為、20%超、29. 2%までの利息設定は「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。
あくまでグレーゾーンで、直ちに違法という訳ではないという解釈でしたが、最高裁判決によって、利息制限法の方が適用されるという内容の判決が下り、それまでの利息制限法の範囲を超えた利息設定も同時に無効になった次第です。
この判決以降、それまでに利息制限法を超える利息の徴収していた業者は、請求があれば差額の返金が義務となっています。
その差額がこの「過払金」と呼ばれています。
「債務整理」とは?
「債務整理」とは、抱えてしまった借金の整理行為を指します。
主に「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」という3つの方法があり、「任意整理」では、弁護士や司法書士を代理人として立て、業者側と借金の減額について交渉してもらいます。
「個人再生」は、裁判所を通して行う債務整理になります。
こちらでは、減額される幅が決まっており、合計して100万円以上の債務がある場合にのみ利用することができます。
「自己破産」も、裁判所の判断になる債務整理で、全ての債務の免責が受けられますが、そう何度も行えるものではなく、原則的に一度だけだと考えておいてください。
また、借金の原因によっては(豪遊やギャンブル、投資の失敗などが理由の場合です)、利用できない場合があります。
「過払金」と「債務整理」の違い
「過払金」と「債務整理」の違いを、分かりやすく解説します。
このように、「過払金」は、支払う必要がないと公的に判断された支払ってしまった利息のことで、請求によって(消滅時効は10年間です)取り戻すことができます。
「債務整理」は、借金の整理行為のことで、必ずしも成功するとは限りませんが、とても返済ができないような状態に陥ってしまった時に利用するものです。
尚、「過払金」の請求も、対象の業者への返済が全て終わった後でないと、「債務整理」に該当すると判断されるので注意してください(信用情報上の話です)。
ただし、それとの相殺より、ちょうど完済となる場合にはその限りではありません。
まとめ
「過払金」と「債務整理」は、このように違う言葉です。
「過払金」の請求が行えるのは、その業者への完済から10年間です。
まだ完済していない場合には、その後にいつでも請求することができます。