「素姓」と「素性」の違いとは?意味を詳しく解釈

「素姓」と 「素性」の違い言葉・カタカナ語・言語

「素姓」「素性」は類似した意味を持つ言葉ですが、元々は「素姓」の漢字表記が使われていました。

現代では主に「素姓」ではなく「素性」の漢字表記が用いられるようになってきましたが、「素姓」「素性」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?

「素姓」の意味や使い方

「素姓」の意味や使い方

「素姓(すじょう)」という表現は、「生まれ育った境遇・今までの生い立ち・これまでの履歴」「家族や過去で立証される身元」「由緒(ゆいしょ)・出所(しゅっしょ)」を意味しています。

「素姓」という表現は特に、「先祖から自分に至るまでの血統・家柄・由緒のある来歴」という意味のニュアンスが強くなっています。

「素姓」の表現の使い方は、「過去から現在に至るまでの血統・家柄・由緒」を指し示す時に使うという使い方になります。

「素性」の意味や使い方

「素性」の意味や使い方

「素性(すじょう)」という表現は、「生まれ育った境遇・自分のしてきたことを中心に据えた生い立ちと履歴」を意味しています。

また「素性」には、「しっかりとした身元・来歴」「今の自分につながる由緒」といった意味もあります。

「素性」という表現は特に、「自分自身の行動・賞罰・家族などに関係する今までの履歴」という意味のニュアンスが強くなっています。

「素性」の表現の使い方は、「自分自身が何をやってきたかという今までの履歴・自分の家庭環境における生い立ち」を指し示す時に使うという使い方になります。

「素姓」と「素性」の違い

「素姓」と「素性」の違い

「素姓」という表現は、「過去(先祖)から現在(自分)に至るまでの生い立ち」を意味していますが、特に「先祖代々の血統の良さ・家柄の良さ・由緒正しさ」などに意味の重点が置かれています。

それに対して、「素性」という表現は「先祖・血統とはあまり関係なく、自分自身の行動・家庭環境などを中心とした生い立ち」を意味しているという違いがあります。

「素性」というのは、特に「自分自身の行動・意思決定・賞罰に基づく履歴(今までの生き方の正しさ)」などに意味の重点が置かれていて、「素性」「素姓」と比べると「先祖にまで遡る身分・家柄・血統の良さ」などを強く意味しないという違いがあるのです。

身分制度が廃止された現代では、「素姓」ではなく「素性」を使用するケースが増えています。

「素姓」を使った例文と意味を解釈

「素姓」を使った例文と意味を解釈

「旧藤原氏の公家などの氏素姓がしっかりしている人でないと、内親王の夫にはふさわしくないと考える国民もまだ多く残っています」 この「素姓」を使った例文は、「素姓」という表現を、「先祖にまで遡る血統・家柄・身分の良さ、それに支えられた確かな身元」の意味で使っています。

「素性」を使った例文と意味を解釈

「素性」を使った例文と意味を解釈

「素性を明らかにしない人物というのは、どうしても信用することができません」

この「素性」を使った例文は、「過去の生い立ちや今までの履歴を明らかにしない人物」という意味を持つ文脈で、「素性」の表現を使用しています。

まとめ

まとめ

「素姓」「素性」の意味の違いについて説明しましたが、「素姓」の表現には「血統・家柄・身分の良さを根拠とする身元・出所」に意味の重点があります。

それに対して、「素性」の表現には「自分自身の過去から現在までの生い立ち・現時点の家庭環境の来歴」に意味の重点があります。

「素姓」「素性」の意味の違いを正しく理解して、内容や状況に応じて適切に使い分けるようにしましょう。