「視察」と「見学」は、行うことは似ていますが、意味合いが多少異なります。
「視察」の意味や使い方
「視察」とは、その場所まで行ってよく調べてくることを指して使います。
それが目的で行く場合に使う言葉で、「彼なら、さっき視察に出掛けた」などと使われます。
あまりいいイメージがない言葉かも知れませんが、言葉として特に悪い含みはなく、そこまで行ってよく調べ、何かしらの情報を持ち帰ってくるという場合に用います。
よく聞く「敵情視察」という表現は、敵と称される対象をよく調べてくるという意味になります。
現代ではライバル社の動きなどを観察してくるといった解釈で使われることが多いです。
「見学」の意味や使い方
「見学」は、対象となる場所行き、見識を広めることです。
「工場見学」がそのいい例で、その工場まで実際に行って見てくることで、どのようなことが行われているかがよく分かります。
見る程度にしておくという使い方もできる言葉で、「今日の所は見学で」といった使い方だと、今日は見るくらいにしておくという意味になります。
実際に何かをする訳ではなく、見るだけにしておくというニュアンスになります。
「視察」と「見学」の違い
「視察」は、よく調べて何かしらの情報を持ち帰るという意味で使う言葉です。
結果的に何も収穫が無かったという場合でも、そのような目的から行われるものです。
「見学」も、それによって見識を広めることが目的ですが、こちらの場合は特に何も収穫が無かった場合でもそれほど問題はないと考えていいでしょう。
よって、似たような行動になりますが、「視察」の方が目的意識が高い表現になり、特定の目的があって(何かについての情報を持ち帰ることが目的で)行われる場合も少なくありません。
「視察」を使った例文と意味を解釈
「視察」を使った例文と、その意味の解釈になります。
戦時行為として使われる場合もある言葉です。
「彼は敵軍の視察に行ったっきり、戻って来ることは無かった」
視察中に敵に捕まってしまった、またはその敵に取り込まれてしまったのかも知れません。
戦時中にはこのようなこともよくあったと言われており、このようなイメージから、言葉自体にあまりいい響きがないのかも知れません。
「見学」を使った例文と意味を解釈
こちらは「見学」を使った例文と、その意味の解釈になります。
比較的気軽に使える表現で、特に悪いもない言葉だと言っていいでしょう。
「見学だけにしておこうと思っていたが、参加することにした」
見ているだけにしておこうと考えていたものの、実際に参加することになったと使っています。
先にも書きましたが、特にどこに行く訳でもなく、見る程度という意味で使われることも多い言葉です。
まとめ
「視察」と「見学」には、このような違いがあります。
「視察」の方は、これと決まったものではなくても、それなりに目的があるからこそ行われると解釈していいでしょう。