この記事では、「かばね」と「しかばね」の違いを分かりやすく説明していきます。
「かばね」とは?
「かばね」とは、2つの意味のある言葉です。
1つは「姓」と表記し、かつて日本に存在した大和の国において、天皇より氏族に与えられた階級のことです。
公(きみ)や臣(おみ)、連(むらじ)、直(あたい)、首(おびと)など、数十種類あったと言われており、これが氏族としての序列を表していました。
奈良時代になり、天武天皇によって、真人(まひと)や朝臣(あそみ)、宿禰(すくね)といった八階級に改められましたが、この頃には有名無実のもとなり、名誉こそあるものの、実権は伴わない存在となりました。
そして、もう1つの意味は「屍」と書いた場合で、以下で紹介する「しかばね」と同じ意味になり、そちらのもう1つの表現(読み方)だと考えていいでしょう。
「しかばね」とは?
「しかばね」とは、上のように「屍」と書き、死体のことを表現します。
「死して屍、拾うものなし」という有名な言葉があり、死んでしまえば、誰もそのようなものは相手にしようともしないといった意味になり、どれだけ地位があり、財産を持っていたとしても、死んでしまっては何の意味もないと解釈されています。
人間のそれ以外に、動物の死体にも使える言葉ですが、昔の言葉で、死者に対する敬意が払われていない表現になる為、現代ではあまり見聞きすることはなく、人間のそれに対しては「遺体」と使うのが一般的です。
「かばね」と「しかばね」の違い
「かばね」と「しかばね」の違いを、分かりやすく解説します。
「かばね」は、「姓」と書く場合と、「屍」とする時で全く意味が異なります。
後者は「しかばね」と同じ意味になり、前者の場合は昔の日本における氏族の階級で、天皇より賜ったものです。
まとめ
「かばね」と「しかばね」は、このような言葉です。
「屍」を「かばね」と読むことができる為に、「姓」と混同してしまうことがありますが、「しかばね」と読めば、これらは明確に区別できます。