この記事では、「社会主義」と「共産主義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「社会主義」とは?
「社会主義(しゃかいしゅぎ)」とは、「階級・搾取・格差のある資本主義を否定して、生産手段(民間企業・生産設備・資源など)を国有化したり私的所有権を制限したりすることで、人民の格差を減らし平等に近づけようとする政治思想」のことを意味しています。
「社会主義」という経済社会体制は、マルクス主義の世界観では「資本主義よりも発展した社会体制」であり、「理想の共産主義に到達するための過渡期(前段階)に当たる社会体制」であるということになります。
「社会主義」では「税の再配分効果」が大きくなり、資本家(金持ち)と労働者(貧乏人)の格差が開かないように税金の累進的な徴収が行われたり、資本家の私的所有権・生産手段所有を厳しく制限したりします。
「共産主義」とは?
「共産主義(きょうさんしゅぎ)」とは、「社会主義がさらに発展して、みんなが自由・平等になれる理想社会やその理想を目指す政治思想」を意味しています。
マルクスの史的唯物論では「資本主義→社会主義→共産主義」へと人類の社会は発展するとされていて、「共産主義」は「すべての階級格差・支配関係・国家権力・私的所有権が廃止された社会体制」を意味しています。
「共産主義」とは、強制されなくてもすべての人々が社会(みんな)のために一生懸命に働く理想の共同社会、さらに仕事の利益をみんなで平等に分配することに納得できる豊かな共同体的社会のことなのです。
「社会主義」と「共産主義」の違い!
「社会主義」も「共産主義」も、「マルクス主義と関連する資本主義(市場経済)を否定する政治思想」という意味は共通しています。
しかし、マルクスの「史的唯物論(資本主義→社会主義→共産主義への発展理論)」では、「共産主義」のほうが「社会主義」よりも進歩・発展した理想社会を目指している思想である違いがあります。
「社会主義」という政治思想・経済社会は、「理想的な共産主義に発展しようとする過渡期(前段階)である」という違いがあり、「すべての人民の自由・平等の実現度」が完全ではない状態を意味しています。
それに対して、「共産主義」とは「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る状態」であり、「資本主義の階級格差・私的所有権・国家体制・他者との比較意識が廃止されたみんなが平等で不満もない理想社会」を意味している違いを指摘できます。
まとめ
「社会主義」と「共産主義」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「社会主義」とは「資本主義・市場原理を否定して人民の格差が小さい社会・経済体制を目指す政治思想」を意味していて、「共産主義」は「社会主義がさらに発展した先にあるすべての人が自由・平等になる理想社会を目指す政治思想」を意味している違いがあります。
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