この記事では、「名主」と「地主」の違いを分かりやすく説明していきます。
「名主」とは?
「名主(なぬし・みょうしゅ)」とは、「平安後期から中世期(鎌倉時代・室町時代)にかけて、名田(みょうでん,自分の名を冠した田・耕作地)を所有していた者」が元々の意味になっています。
「名主」は歴史的には「田堵」に次いで出現して、名田を所有して年貢を領主(国司・守護など)に納めていました。
江戸時代以降の「名主」は、「領主の下で村政を担った村落の長」や「町奉行・町年寄の下で町政を担った役人の職名」を意味するようになりました。
「地主」とは?
「地主(じぬし)」とは、「土地の所有権を持つ人・土地の所有者」を意味している言葉です。
「地主」という表現には、「所有する田畑などの土地を貸し付けて、その代償として地代(小作料)を取り立てる社会階層」といった意味合いもあります。
「田堵・名主・大名」なども広義の「地主」に当たりますが、名田(私的に所有する田畑)を所有・支配する階層として「地主」の言葉が用いられ始めたのは江戸時代以降です。
「名主」と「地主」の違い!
「名主」と「地主」の違いを、分かりやすく解説します。
「名主」も「地主」も「土地(田畑)の所有権を持つ者」という類似の意味合いを持っていますが、「名主」は「土地の所有者」としての意味以外にも「江戸時代以降の村役人・町役人」という別の意味合いを持っています。
「地主」は土地(田畑)の所有によって有力な社会階層を構成しましたが、「地主」の呼び方自体は江戸時代以降に生まれました。
「名主」という呼称の歴史は古く、「名田(自分の名前・姓を冠した田)の持ち主」という意味では平安時代や鎌倉時代から使われているという「地主」との違いがあります。
「名主」には「地主」にない、「領主の下で村政を担当した村落の長・町奉行や町年寄の下で町政を担当した職名」といった意味もあります。
まとめ
「名主」と「地主」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「名主」とは「江戸時代の村役人あるいは町役人」や「平安期・鎌倉期・室町期の名田の所有者」を意味していて、「地主」は「土地の所有者・小作人に土地を貸して小作料を取った社会階層」を意味している違いがあります。
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