本流から外れた人や存在を表す言葉として「アウトサイダー」と「アウトロー」があります。
この2つはどちらも一般的に使われる言葉で同じような意味で使う人も多く見られますが、実は全く異なる意味を持っており指すものには明確な違いがあります。
今回は、「アウトサイダー」と「アウトロー」の違いについて解説します。
「アウトサイダー」とは?
「アウトサイダー」は英語で綴ると「outsider」となります。
「アウトサイダー」の本来の意味は「部外者、外部の人や存在」です。
「アウトサイダー」の対義語は「インサイダー」ですがこちらの意味は「内部の関係者、身内」で内部事情を知るものによって行われる犯罪を意味するインサイダー取引で使われますが、アウトサイダーはインサイダーの反対の意味だと考えると理解しやすくなります。
もともとの意味では単純に部外者や外部のことを指していましたが、現在では単純に「アウトサイダー」という場合は社会のルールから外れた人や常識の外にいる人、特に法律を順守しない人達を指します。
暴力団や反社会的勢力など人生の裏道を歩む人達が「アウトサイダー」に該当します。
すでにある組織や集団から離れて行動する人のことを指して「アウトサイダー」と表現することもあります。
非正規労働者ユニオンなど会社組織を超えて結成される労働組合は労働組合法に基づいて組織される企業別組合とは異なり法律に基づいた団体交渉などが認められません。
このようなルール外の組織や団体を指して「アウトサイダー」と表現します。
「アウトサイダー」の使い方
・組合に所属していない者はアウトサイダーとして扱われる。
・一度アウトサイダーになってしまったら社会復帰は簡単ではない。
・企業にとってアウトサイダーとの関わりを疑われることは大きなリスクだ。
・アウトサイダーとの関係が致命傷となり議員辞職に追い込まれる。
「アウトロー」とは?
「アウトロー」とは、法律や道徳を守らない人や団体のことです。
「アウトロー」は外れる、離脱するといういう意味を持つ「out」と法律やルールを意味する「law」の2つの単語から成る言葉です。
法律や法規範から外れて行動するのがアウトローであり日本語では「無法者」となります。
もともとの意味は法律を守らない人のことを指していましたが現在ではルールや常識を守らず独自の基準や正義に基づいて行動する人のことを「アウトロー」と表現します。
法律を守ることを重視せず庇護も受けないのが「アウトロー」の特徴です。
「アウトロー」の使い方
・アウトローを気取ったところで最後は追い込まれるのが関の山だ。
・アウトローに憧れを持つのは若者なら一度は通る道である。
・君の行動はアウトローと呼ぶのにふさわしい。
・西部開拓時代でもあるまいに、堂々とアウトローを宣言するのはどうかと思う。
「アウトサイダー」と「アウトロー」の違い
「アウトサイダー」が集団や組織から外れている事実を強調するのに対し「アウトロー」はルールや法律を守らないことを強調しています。
「アウトサイダー」は特に信念を持って集団やルールから外れる人や組織に対して用いられるのに対して「アウトロー」は常識やルールを受け入れることができず逸脱してしまう人や組織に使われるという違いがあります。
まとめ
「アウトサイダー」と「アウトロー」は意味的に似通っていますが明確な違いがあります。
それぞれの意味と含まれるニュアンスを理解するとふさわしい使い方が理解できます。