この記事では、「戦慄」と「恐怖」の違いを分かりやすく説明していきます。
「戦慄」とは?
「戦慄」は「せんりつ」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「あまりの恐ろしさに身体が震えること」という意味で、恐ろしさで脳がストレスを認識して、交感神経が一気に活性化して血圧や心拍数を上昇させ、筋肉が収縮していつでも動けるように戦闘態勢を作ろうとする為に生じる生理現象です。
2つ目は医療用語で「寒い時や高熱が出る時に身体が震えること」という意味で、身体が寒さを感じた時に、体温調節の為に震えて熱を保とうとする生理現象です。
上記に共通するのは「身体が震える」という意味です。
「戦」も「慄」も「おののく」と読み、「寒さ、恐怖、不安などにより、身体が震えること」という意味で、同じ意味の言葉を重ねることで意味を強調しています。
「戦慄」の使い方
「戦慄」は「あまりの恐ろしさに身体が震えること」「寒い時や高熱が出る時に身体が震えること」という意味で使われます。
名詞として「戦慄する・した」「戦慄させる・させた」と使われたり、形容詞として「戦慄の」と使われたりします。
基本的に、寒さ・緊張・恐怖などで身体がガタガタと震える時に使われる言葉です。
「恐怖」とは?
「恐怖」は「きょうふ」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「危害を加えられそうで強く不安を感じること」という意味で、自分の身に危険が迫っている時に激しく動揺する様子を言います。
2つ目は「悪い結果になりそうで避けたいと思う強い感情」という意味で、自分にとって悪い結果になりそうで、嫌で仕方ない様子を言います。
3つ目は「未知の物に対して感じる不気味さ」という意味で、正体が分からないものに対して感じる強い不気味さのことを言います。
上記に共通するのは「不安で激しく動揺すること」という意味です。
「恐」も「怖」も「こわい」と読み、「おそろしさで平静を保てない状態」という意味で、同じ言葉を重ねて意味を強調しています。
「恐怖」の使い方
「恐怖」は「危害を加えられそうで強く不安を感じること」「悪い結果になりそうで避けたいと思う強い感情」「未知の物に対して感じる不気味さ」という意味で使われます。
名詞・形容動詞として「恐怖だ・である」「恐怖を感じる・感じた」などと使われます。
基本的に、身の危険を感じてこわいと思い、身がすくむ様子に使われる言葉です。
「戦慄」と「恐怖」の違い
「戦慄」は「寒さ・緊張・恐怖などで身体がガタガタと震える様子」という意味です。
「恐怖」は「身の危険を感じてこわいと思い、身がすくむ様子」という意味です。
「戦慄」の例文
・『目の前にヒグマが現れて戦慄が走った』
・『雷が落ちて戦慄が走った』
・『近所で戦慄させられる事件が起きた』
・『事件の犯人が子供だと知り戦慄した』
「恐怖」の例文
・『100キロ以上のスピードは恐怖を感じる』
・『今日の数学の試験は恐怖だ』
・『恐怖映像を見たら眠れなくなった』
・『彼の顔は恐怖で青ざめていた』
まとめ
今回は「戦慄」と「恐怖」について紹介しました。
「戦慄」は「身体が震えること」、「恐怖」は「身がすくむこと」と覚えておきましょう。