珍しく数少ないことを意味する言葉として「希少」と「稀有」があります。
どちらも同じように使われている馴染み深い表現ですがこの2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「希少」と「稀有」それぞれの意味と違いについて解説します。
「希少」とは?
「希少」とは「非常に数が少なく珍しいこと」という意味を持つ言葉です。
「希少」では文字でもわかるように数が少ないことに重点が置かれています。
ポイントは「少ないが唯一無二ではない」ことです。
「希少」が意味するのは絶対的な数の少なさであり少ないがゆえに希少性が生まれている状態を表しています。
少ないながらもいくらかは数がある状態が「希少」なので世界で唯一の品やたったひとつだけのオーダーメイド品などには「希少」は用いません。
確固たる基準はありませんが「全体のうち0. 01%」「世界で十数個」と言った程度の数しかないものが「希少」に該当します。
「希少」の基準は需要によって変化します。
多くの人が欲し求め供給が追いつかない場合、その物品は「希少」になります。
普段はありふれていたマスクの需要が急増しどこに言っても売り切れているケースなどが需要の急変による「希少」に該当します。
「希少」の使い方
・アレキサンドライトは採掘量が少ない希少な宝石である。
・希少なグッズなのでオークションでは高値がつくだろう。
・希少価値は認めるが出来が良くないのは事実だ。
・6カ国語を自在に操る貴重な人材。
「稀有」とは?
「稀有」とは「滅多に無くとても珍しいこと」を意味する言葉です。
「稀有」の「稀」は「まれ」と読み「可能性や確率が低くとても貴重」という意味です。
「稀有」とは「そこにあることがまれ」という意味であり極めて貴重で出会いがたくそこにあることが非常に低い確率であることやモノに対して使われます。
一般的には似たような存在や代替手段がないことに対して使われる表現であり探しても簡単には見つからないものを「稀有」と表します。
転じて不思議なこと、意外なことという意味でも使われます。
同じ意味で「希有」という字が使われることもありますが意味は同じです。
「稀有」の使い方
・稀有な才能を仕事に活かす。
・一日に5回も財布を拾うとは、なんて稀有な体験だ。
・医者と弁護士の資格を持つ稀有な人物。
・8月なのに20度を下回った稀有な日。
「希少」と「稀有」の違い
「希少」は絶対的な数の少なさが希少性につながっているのに対し「稀有」では可能性は確率の低さが希少性を裏付けています。
「希少」は少ないながらも幾らかの数がありますが「稀有」は唯一無二かそれに近い状態で変わるものがほぼない状態を指しています。
数や量で計れるものは「希少」ですが客観的に計測が難しいモノに対しては「稀有」がふわわしい表現となります。
まとめ
「希少」と「稀有」はどちらも珍しい事を表す言葉ですが意味するところには違いがあります。
なぜ貴重なのか、その根拠を理解するとどちらの言葉がふさわしいかがわかります。
正しく理解して使い分けてください。