この記事では、「策略」と「戦略」の違いを分かりやすく説明していきます。
「策略」とは?
「策略」【さくりゃく】とは、物事を自分の都合よく進めるために相手を操ったりおとしいれたりすること、またはその手段や計画を立てることです。
漢字の「策」は目的を達成するための方法を企てること、「略」はだます、攻めとることを意味します。
この2つの漢字を組み合わせた「策略」は、自分の目的を達成するために敵を利用して上手に動かすこと、また、そのために必要な手段をたくらむことを表します。
「策略」は目的を果たすために計画を立てることですが、ほとんど良い意味では使われません。
強引に自分の目的を果たすため、ことが自分の思い通りに進むよう人をだましたり罠にはめたりすることを表しています。
類語は「計略」【けいりゃく】、「詭計」【きけい】、「目論見」【もくろみ】などです。
「計略」は「策略」と同じ意味を持ち、「詭計」はだますための企みを指します。
「目論見」は企てることですが、悪い企てだけでなく良い企ても当てはまるところが「策略」と少し異なります。
「策略」の例文
・『ライバルを出し抜くための策略をめぐらす』
『業者の策略にまんまと引っかかり、にせ物を買わされてしまう』
「戦略」とは?
「戦略」【せんりゃく】とは、ある目的を達成するために企てる理論や方法のことです。
漢字の「戦」が使われていることから分かるように、本来「戦略」は、戦いや戦争に勝つための攻略法を練ることを表しています。
軍事に関連する専門用語で、比較的大規模な計画を指すときに用いられます。
実際には、軍事以外の場面で使われることのほうが多く、スポーツやビジネスで目的を達成するため、選挙に当選するため、ギャンブルに勝つため、など何かに勝つために企てる手段が「戦略」と呼ばれています。
類語は「作戦」「戦術」「駆け引き」【かけひき】です。
何らかの攻略法を指すところは「戦略」と共通していますが、「作戦」は物事を効率よく達成するための方法、「戦術」は敵に勝つための手段、「駆け引き」は相手の状況に合わせて出方を工夫することを表しており、それぞれのニュアンスが少し異なっています。
「戦略」の例文
・『将棋の対局に向け、入念に戦略を練る』
・『マーケティングでには、顧客の動向を把握した上で長期的な戦略を立てることがポイントだ』
「策略」と「戦略」の違い
「策略」と「戦略」の違いを、分かりやすく解説します。
「策略」は、人を利用して自分の目的を果たすために計画を企てることです。
「戦略」は、ある目的を果たすために企てる攻略法のことです。
目的を達成するため手段を計画するところが共通しており、互いに類語の関係も成り立ちます。
ただしニュアンスは違っています。
「策略」は自分の目標達成のため人をだまして動かそうとする悪い企みで、ずるがしこさが感じられます。
「戦略」は目的を達成するための論理的な方法であり「策略」のような卑屈なニュアンスは含みません。
まとめ
「策略」と「戦略」は互いに類語の関係にあり、場面によっては言い換えることも可能です。
ただしニュアンスは異なるので、状況にあわせて使い分けることが大切です。
ビジネスシーンで目にすることの多い言葉です。
意味を正しく理解して上手に活用していきましょう。