この記事では、「執着」と「依存」の違いを分かりやすく説明していきます。
「執着」とは?
「執着」は「しゅうちゃく」または「しゅうじゃく」と読みます。
意味は「一つのことに心をとらわれてしまい、そこから離れられないこと」です。
元は仏教用語で、修行する為には本来煩悩を取り去らなくてはいけないのですが、ものごとにとらわれてしまい、修行の邪魔にな心の働きを表す言葉でした。
「執」は「とる」とも読み、「とりついて離れない」という意味、「着」は「つく」とも読み「くっつく」という意味、「執着」で「くっついて離れないこと」になります。
「執着」の使い方
「執着」は「一つのことに心をとらわれてしまい、そこから離れられないこと」という意味で使われます。
名詞として動詞を伴い「執着する・した」「執着される・された」と使われたり、副詞として「執着して」と使われます。
「執着心」は、ある人やものごとに対して強いこだわりを持ち、それを失うことを恐れて常に意識する気持ちのことです。
基本的に、一つのことにとらわれてしまい、そのことに関して非常に強いこだわりを持つ様子に使われる言葉です。
「依存」とは?
「依存」は「いぞん」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「他の人や生き物に頼って存在すること」であり、その人や生き物があるお陰で自分が存在できる状態を言います。
2つ目は「他の人や物に頼って生活すること」という意味で、生活の面倒を他の人に見てもらっている状態を言います。
上記に共通するのは「絶対的に他を頼る」という意味です。
「依」は「よる」とも読み、「たよる」「よりかかる」という意味、「存」は「ある」とも読み、「たもつ」「ながらえる」という意味、「依存」で「頼ってながらえること」になります。
「依存」の使い方
「依存」は「他の人や生き物に頼って存在すること」「他の人や物に頼って生活すること」という意味で使われます。
名詞として動詞を伴い「依存する・した」「依存される・された」と使われたり、副詞として「依存して」と使われます。
「依存症」は、「それがないと平常な状態を保てなくなる症状」という意味で、身体的・精神的に両方の面で使われます。
基本的に、あるものに頼って自分を保っている状態に使われる言葉です。
「執着」と「依存」の違い
「執着」は「一つのことにとらわれてしまい、そのことに関して非常に強いこだわりを持つ様子」という意味です。
「依存」は「あるものに頼って自分を保っている状態」という意味です。
「執着」の例文
・『彼女は別れた元彼にまだ執着している』
・『上司はまだ古いやり方に執着している』
・『彼女はお金に執着している』
・『生きることに執着するのは悪いことではない』
「依存」の例文
・『彼はアルコール依存症だそうだ』
・『いい加減薬に依存するのはやめた方がいいよ』
・『父親がギャンブル依存症で家族が苦労させられた』
・『彼氏に依存し過ぎるといつか飽きられるよ』
まとめ
今回は「執着」と「依存」について紹介しました。
「執着」は「一つのことにとらわれる」、「依存」は「あるものを頼り切る」と覚えておきましょう。