この記事では、「必然」と「当然」の違いを分かりやすく説明していきます。
「必然」とは?
「必然」には、「必ず」という漢字が用いられています。
そのことから、「必然」には、必ずそうなること、そうなるほかになりようもない、といった意味があります。
「必然」の場合、結果は、偶然に起きたものではなく、なるべくしてなった、誰がどう見ても、そうなるしかなかった、運命で今の結果になることは決まっていた、というものになります。
このような意味から同じ意味を持つ言葉には、「必至」、「必然」、「不可避」、「宿命」などとなり、対義語は、「偶然」、「蓋然」となります。
「必然」の使い方
「必然」には、「必然の結果」や「必然的に」、「必然性」などといった使い方があります。
「当然」とは?
そうなることが当たり前、道理にかなっている、それが当たり前のさま、といった意味の「当然」。
誰がどう見ても、それが当たり前だという状況を「当然」と言います。
このような意味から同じ意味を持つ言葉には、「無論」や「勿論」、「当たり前」、「言うまでもなく」などがあり、対義語は、「意外」です。
「当然」の使い方
何が「当然」なのかといった使い方が多い「当然」には、「当然の結果」や「当然の出来事」、「当然の義務」、「当然のこと」などがあります。
「必然」と「当然」の違い
「必然」と「当然」の違いは、対義語を比較すると明確です。
「必然」の対義語は「偶然」。
「偶然」とは、因果関係などなく予期しないことが起きることを意味し、そのことから「必然」には、必ずそうなる、それ以外になることはない、といった意味があることがわかります。
一方、「当然」の対義語は「意外」です。
「意外」には、考えていたことを非常に違っているといった意味があり、そのことから、「当然」には、考えていた通り、当たり前といった意味があることがわかります。
以上のことから、「必然」と「当然」の関係には、「必然」の方が強いと言えます。
「必然」の方が「当然」よりも「必ずそうなる」といったニュアンスが強いため、より強調したい際に用いられる言葉が「必然」となります。
「必然」の例文
・『喧嘩ばかりの彼氏とは、必然的に別れる結果となりました。』
・『人生には、避けることができない必然が何度も起こります。』
・『昔から洪水の多い河川では、局地的な豪雨が発生すると、必然的に大きな被害が発生します。』
・『運命が決めた避けることができない必然とは、本当にあるのだろうか。』
「当然」の例文
・『我が家では、毎年、元日に初詣に行くことは、当然の行事です。』
・『悪いことをしたのだから、罰を受けることは当然のことです。』
・『勉強もせずに漢字テストを受けたのだから、わからなくて当然だ。』
・『交通違反をして罰金を払うことは、当然の義務です。』
まとめ
同じような意味を持つ「必然」と「当然」ですが、意味の強さに違いがあり、その点に注意した使い方が求められる言葉となります。