この記事では、「主題」と「主格」の違いを分かりやすく説明していきます。
「主題」とは?
「主題」には3つの意味があります。
1つめは中心となる事柄です。
庭の歴史について書かれた本があったとします。
この本を読んでみると、庭の歴史の他に、庭が登場する小説、庭が題材となっている映画、著者の庭に関する考え、著者が作っている庭などのことが書かれています。
しかし、この本は庭の歴史を書くことを主な目的としており、そのために歴史についてが中心に書かれています。
この場合は「主題」は庭の歴史です。
庭が登場する小説や著者が作っている庭の話などは周辺の事柄になります。
2つめの意味は、芸術作品で著者の主張する中心となる思想です。
児童労働を描いた絵画があったとします。
現在、児童労働が問題になっています。
そのことを伝えたかったために描いた作品です。
著者は、児童労働はなくすべきだと考えており、これが著者の主張する中心となる思想内容です。
この場合は児童労働が「主題」になります。
3つめの意味は、楽曲を際立たせるものとなり、展開の格となる楽想です。
楽想とは、作曲者が音楽で表現しようとしている意図のことです。
中心となる事柄です。
「主題」の使い方
中心となる事柄という意味で使用をします。
芸術作品や音楽、それ以外のものについてもいいます。
「主格」とは?
文や句の中で、動詞が示す事柄をするものや、作用や性質を働かせているものを表す語です。
この語の後に「が」や「は」がつくことが多いです。
たとえば「犬がエサを食べる」という文の場合、動詞は食べるで、食べるという動作をしているのが犬です。
この場合の「主格」は犬になります。
この語が文の最初にくるとは限りません。
文の最後にくる場合もあり、その場合は「が」や「は」などはつかないことになります。
「主格」の使い方
文法で使う言葉です。
母語の場合だと、普段どれが「主格」なのかを意識せずに話したり、書いたりしています。
日本人の場合だと日本語を話したり書いたりするときは意識しませんが、英語など別の語を使う場合には意識することがあります。
そういったとき、文法を習うと場合にこの語を意識することになります。
「主題」と「主格」の違い
どちらの言葉にも、おもな、中心となるという意味を持つ漢字である「主」が使用されており、この点が似ていますが、意味は異なります。
前者は中心となる事柄、後者は動詞が示す事柄を行うもの、作用や性質を働かせているものを表す語、という意味です。
「主題」の例文
・『主題を決める』
・『花を主題にした絵画展』
・『2人の未来が主題の映画』
・『主題が何かを答えなさい』
「主格」の例文
・『主格をみつける』
・『この文の主格はどれですか』
・『主格を判断する』
・『主格のない文』
まとめ
2つの言葉には「主」という漢字が使用されており、この点は似ていますが、意味は異なります。