「心神喪失」と「心神耗弱」の違いとは?分かりやすく解釈

「心神喪失」と「心神耗弱」の違いとは?言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「心神喪失」「心神耗弱」の違いを分かりやすく説明していきます。

「心神喪失」とは?

「心神喪失」とは?

心神喪失は、しんしんそうしつという読み方をする言葉です。

文字で表記されたこの言葉を見れば理解可能な事ですが、こころや気分といった意味を持つ心神の文字に、失う事を意味する喪失の文字を付け加える事で生じた言葉となっています。

そのため心神喪失は、精神障害等が原因で自分の行為によって生じる結果を判断する能力が完全に欠けている状態を表すのです。

「心神喪失」の使い方

心神喪失は、精神的な疾患等により自分の行為から生まれるであろう結果を判断出来ない状態を表す際に、使用される言葉となっています。

特に異常性の高い犯罪行為を行った容疑者についた弁護士が、この言葉を使って弁護する事が少なくありません。

なので何らかの犯罪行為が起きた際や、或いは裁判に関連した時にこの言葉を使ったり登場する事が多かったりします。

実際に心神喪失が認められれば、刑法において責任能力がないと判断されて処罰を受けなかったりするのです。

「心神耗弱」とは?

「心神耗弱」とは?

心神耗弱は、しんしんこうじゃくという読み方をすべき言葉となっています。

漢字で表記されたこの言葉を目にすれば明らかな事ですが、精神や気持ちといった意味を有する心神の漢字に、すりへるの意味がある耗の漢字に加え、よわい事等を意味する弱の漢字を組み合わせる事で成立している言葉です。

だからこそ心神耗弱は、精神が衰弱する事により自分の行為に対する結果の判断能力が劣っている事を表します。

「心神耗弱」の使い方

心神耗弱は、精神的に参っているため自分の行為の結果に対する判断能力が低下している状態を、表す際に用いられる言葉です。

ただし日常生活で見聞きする事は余りない言葉で、主に犯罪や裁判に関連した言葉として使われたりします。

なので大半の人は犯罪や裁判を扱ったドラマや映画等の作品で、この言葉を見聞きする程度です。

「心神喪失」と「心神耗弱」の違い

「心神喪失」と「心神耗弱」の違い

心神喪失と心神耗弱は文字を見比べれば、喪失と耗弱という使用されている文字の違いに気付く事が出来ます。

所がどちらも最初に同じ心神という言葉が付く上に、裁判に関連して登場する事が多い言葉同士です。

お陰で混同してしまう部分が、存在する言葉の組み合わせとなっています。

もっとも心神喪失は、精神障害等により自分の行為が引き起こす結果に対する判断能力が完全に欠けている状態を表現するのです。

一方の心神耗弱は、精神的に弱っているのが原因で自分の行いから生じる結果に対する判断能力が、劣っている状態を示す言葉となっています。

「心神喪失」の例文

「心神喪失」の例文

・『殺人の罪を問われた彼は裁判で、心神喪失による無罪を主張しています』

「心神耗弱」の例文

「心神耗弱」の例文

・『彼女は心神耗弱による減刑を求めています』

まとめ

まとめ

2つの言葉は共に、最初に心神の文字が付くもののその後に続く言葉は、喪失と耗弱という違いがあるのです。

しかもその違いにより、表す意味合いも違っています。

まず心神喪失は、精神疾患等が原因で結果に対する判断能力を完全に失っている状態を示す言葉です。

対する心神耗弱は、精神的に弱っていたり薬物等の影響で、善悪に対する判断能力が酷く低下した状態を表現する言葉となっています。