工事にまつわる専門用語には、少々むずかしい言葉もあります。
この記事では、「敷設」と「布設」の違いを分かりやすく説明していきます。
小さな差を知って、日々の暮らしに活かしていきましょう。
「敷設」とは?
敷設(ふせつ)とは、電気や通信などの管をひくことです。
長いケーブルを敷いて、環境をととのえることから「敷設」という言い方をしています。
配線工事の現場で、よく耳にする言葉です。
私たちが毎日、スマホやパソコンなどを快適に使えるのは、電気や通信などの配線工事がスムーズにおこなわれているからです。
電気を流すための電力線や信号線、高速通信用のケーブルは、街の至るところに張り巡らされています。
こうしたケーブルを新しい物に取り換えたり、あらたに設置したりする作業が「敷設」になります。
また敷設は電車のレールを敷くとき、大型マンションに空調用のダクトを敷くときにも使われます。
電気、通信、鉄道、マンション建設など、あらゆる現場で活躍しているのが「敷設」です。
「布設」とは?
布設(ふせつ)とは、水道管などを新しくひくこと。
老朽化した水道管を、新しく取り替える作業を「布設」といっています。
水道局からのお知らせのチラシで、よく見かける表現です。
水道の蛇口をひねるとクリアな水が出てくるのは、街の水道管がきちんと布設されているからです。
ちなみに一般的な水道管の耐久年数は、おおよそ40年。
年数を過ぎた水道管は地震などの災害が起こると、たちまち漏水するリスクもあります。
そのため全国の街では、古い水道管を新しく引きなおす工事が急ピッチでおこなわれています。
こうした水道工事のことを「水道排水管布設工事」といいます。
また新しくできた住宅地に、あらたに水道管を敷くことも「布設工事」と呼びます。
物件販売のチラシに「上下水道は布設済み」と書いてあったら「すでに水道工事は完了しています」という意味になります。
「敷設」と「布設」の違い
どちらも「ふせつ」と読めるので、紛らわしいです。
「敷設」と「布設」の違いを、分かりやすく解説します。
・電気や通信は敷設、水道は布設
同じ読み方をするので、現場で区別を付けづらいのが「敷設」と「布設」です。
敷設は電気や通信のケーブルを設置するとき、そして鉄道のレールをあらたに設けるときに使います。
マンションの配管工事も、敷設とあらわします。
一方で布設は「水道排水管布設工事」のように、老朽化した水道管の修繕工事や、新設工事につかわれます。
電気や通信、鉄道などのインフラにまつわる工事は敷設。
飲み水や下水など、水道にまつわる工事は布設です。
まとめ
「敷設」と「布設」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも暮らしに欠かせない、大きな工事でつかわれます。
敷設は電気や通信などのケーブルを敷く工事のこと。
布設は水道管を修繕したり、新しく設けたりする工事です。
配管にまつわる言葉を知って、知識をブラッシュアップしていきましょう。